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持病との付き合い方

生活習慣病の予防と長生きへの道とは?

生活習慣病という言葉を耳にすることは多いと思いますが、具体的にはどういう病気なのかわからないという方は多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな生活習慣病の種類やその予防法、また健康的な長生きへのコツについてご紹介します。

服部 かおる

皆さまは生活習慣病についてご存じですか?
なんとなくは知ってるけど具体的にはわからないという方も多いかと思います。
この記事を読んで生活習慣病のことをよく知り、健康長寿を目指しましょう。

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食生活長寿アドバイザー

学んですぐに実践できるセンテナリアンの食事の基本の軸を学び、日々の食事の見直すことで、①料理時間の短縮②栄養のバランスが取れる③食材・食費の無駄が減るといったことが目指せます。
また、季節ごとの具体的な献立もご紹介。学んですぐに実践いただけます。

センテナリアン検定


「人生100年時代」を生きる、支えるための生活習慣・介護・社会とのかかわり方など、健康面以外の知識も含め、総括的に学べます。介護士などの福祉関係者や看護師などの医療従事者の方など、高齢者とのかかわりの多い方に多く受講されています。
合格者は非営利活動法人日本統合医学協会のセンテナリアンアドバイザー資格が認定されます。

睡眠セラピスト


「世界最悪レベルで眠っていない」日本人の現状と睡眠不足の影響による問題、睡眠のメカニズム、正しい眠り方、快眠の習慣化などについて学びます。
そして、自分だけでなく、家族や友人にも、正しい眠り方や快眠の習慣化についてアドバイスできるようになることを目指します。

生活習慣病とは?

そもそも生活習慣病とは、肥満症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などの総称です。

日本国民の死因の約6割が生活習慣病というデータもあり、社会問題となっています。

生活習慣病は、すぐに命に関わる病気ではないため軽く見られてしまいがちですが、決して軽く見てはいけません。

生活習慣病の危険性について具体的にみていきましょう。

 肥満症

肥満症とは、体に脂肪が溜まりすぎて健康に悪影響を及ぼす状態です。

この脂肪が皮下組織に蓄積するタイプを皮下脂肪型肥満といい、内臓とそのまわりに蓄積するタイプを内臓脂肪型肥満といいます。

なお、メタボリックシンドロームにつながるのは内臓脂肪型肥満です。

このような症状は、心臓病や糖尿病などのリスクを高めるため、適切な治療や管理が必要です。

 メタボリックシンドロームの判定

メタボリックシンドロームの判定には、腹囲を計測します。

メタボリックシンドロームは、おへその高さで腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上です。

さらに、高血圧・空腹時の血糖・脂質の数値を確認し、それぞれの基準のうち2つ以上当てはまると「メタボリックシンドローム」と診断されます。

糖尿病

糖尿病とは、血液中のブドウ糖の量、いわゆる血糖値が高い状態です。

一般的に、空腹時の血糖値が126mg/dl以上になると糖尿病と診断されます。

もともとブドウ糖は私たちが生きていくために必要な栄養素です。

例えば、お米やパンなどの炭水化物を食べると、それらは消化されてブドウ糖に変わり、血液中に吸収されていきます。

このとき(食後)は、一時的に血液中のブドウ糖が増加しますが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きで、エネルギー源としてブドウ糖が体内に蓄えられるのです。

ところが、インスリンの分泌が低下したり働きが悪くなったりすると血液中のブドウ糖が増え、慢性的に高血糖状態が続きます。

この状態が糖尿病です。

 高血圧症

高血圧症とは、血圧が高い状態です。

なお、血圧とは血液が血管内を押す圧力のことです。

一般的に、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上に当てはまると高血圧と診断されます。

高血圧症は、血管にダメージを与えます。

すると、ダメージを防衛しようと血管の壁が厚くなり、結果的に血管の内部が狭くなり、血圧がさらに高くなるという悪循環に陥ります。

そして、脳の血管が破れると脳出血、心臓の血管が狭くなれば狭心症といったように高血圧による合併症が引き起こされてしまいます。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の脂質が多い状態です。

脂質には、コレステロールや中性脂肪が含まれます。

一般的に、LDLコレステロールが140ml/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、中性脂肪が150mg/dL以上に当てはまると脂質異常症と診断されます。

脂質と聞くと体に悪いイメージがありますが、コレステロールはホルモンの材料に、中性脂肪は体のエネルギー源になるため、体に必要なものです。

しかしながら、偏った食事や運動不足などの生活習慣によって、血液がドロドロ状態になると脂質異常症を発症します。

生活習慣病のリスク要因

生活習慣病の原因には、いくつか共通点があります。

例えば、過食やストレスなどです。

これらが悪影響を及ぼしあい血管にダメージを与えて、重篤な病気を引き起こします。ここからは生活習慣病のリスク要因についてみていきましょう。

バランスの悪い食事

  • 外食やファストフードが多くカロリーオーバーしてしまう
  • 好きな物ばかり食べて、栄養バランスが偏る
  • 朝食抜きや糖質制限などで血糖値が乱れる
  • 生野菜のかわりに野菜ジュース、お菓子のかわりに果物など、糖分を取り過ぎる
  • 揚げ物や炒め物ばかり食べて脂質を取り過ぎる

このように、食事量や栄養バランスをコントロールできていないと、血糖値が上昇し脂質異常症などの生活習慣病を引き起こします。

 運動不足

  • そもそも運動が嫌い
  • 電車やバスでは座っている
  • デスクワークが多く、座りっ放し
  • すぐに車に乗る
  • 階段を使わずエスカレーターに乗る

運動するとエネルギー源として、体の脂肪やブドウ糖が使われます。

つまり、運動によって脂肪やブドウ糖がエネルギーとして消費され、体重のコントロールや血糖値の調整に役立つのです。

一方、運動不足になると、体はそれほどエネルギーを使わなくなります。

その結果、体内に脂肪やブドウ糖が蓄積されやすくなり生活習慣病のリスクが高まるのです。

また、年齢とともに筋肉は衰えていくものです。

将来、寝たきりにならないように運動を続けて筋肉をキープすることが大切です。

ストレスの溜めすぎ

  • 通勤ラッシュ
  • 仕事
  • スマホやパソコンの長時間使用
  • 近所や友人とのつきあい
  • 大きなケガや病気など

ストレスとは外部からの刺激による体の反応です。

適度なストレスは良い刺激になりますが、ストレスの溜めすぎは体に悪影響を及ぼします。

ストレスを溜めすぎると、自律神経のバランスが崩れて血管を収縮させ血液の流れが悪くなります。

 睡眠不足

睡眠は体と心をリフレッシュさせる効果があります。

睡眠中は細胞の修復や再生を行う成長ホルモンが分泌されるため、睡眠は健康維持に欠かせません。

しかし、睡眠不足が続くと、体が回復されず、集中力や注意力が低下するほか、生活習慣病のリスクが高まります。

もともと人には「夜になると眠くなり、朝になると目覚める……」という睡眠システムが備わっています。

この睡眠システムは、脳が管理している体内時計の働きによるものです。

体内時計は、朝日を浴びるとリセットされ、1日24時間サイクルで動く時計です。

人は、体内時計に従って、昼間はアクティブに動き、夜は眠くなるように、体温や心拍を調整しているのです。

しかし、仕事や家事などに追われていると不規則な生活になり、体内時計に従うことが難しくなります。

つまり、「朝起きられない」「なかなか眠れない」「睡眠不足」といった悩みは、この体内時計のリズムを上手に動かせていない証拠なのです。

睡眠と健康長寿の関係とはこの記事では睡眠と健康長寿について解説しています。健康的な生活を送るためには質の良い睡眠をとることが大事です。質の良い睡眠は規則正しい生活、日中の適度な運動によってもたらされるのです。...

 タバコ

タバコは、有害物質や発がん性物質が含まれています。

なかでも、ニコチンは血管を収縮させて血圧を上昇させます。

また、タバコは喫煙者だけではなく、その周囲にも悪影響を及ぼします。

自分のためにもまわりのためにもなるべく禁煙しましょう。

タバコに含まれる有害物質

  1. ニコチン(依存性が強く、交感神経を刺激して心拍数を上げる)
  2. タール(いわゆるヤニのことで、発がん性物質を含んでいる)
  3. 一酸化炭素(体に酸素を運ぶ機能を低下させる)
  4. フリーラジカル(細胞を酸化させる物質で、老化を早める)

避けられない老化と生活習慣のポイント

「最近疲れやすい」「お酒が弱くなった気がする」と思うことはありませんか?

これらは、老化によって体が不眠やアルコールの負担に対処できなくなったからです。

つまり、年齢とともに生活習慣を変える必要があるのです。

さっそく、生活習慣を整えるポイントをご紹介します。

 生活パターンをノートに書き出す

まずは、生活パターンを書き出してセルフカウンセリングしてみましょう。

いつ・どこで・何を・どのようにしたのか、具体的に書くのがポイントです。

そして、今できているところからチェックします。

「○月○日、朝から家事を2時間も頑張った」

「○月○日~○日、お酒を飲まないで過ごした」

「○月○日、間食を我慢した」など

ノートに書くと、自分の行動を客観的に見ることができ意識しやすくなります。

また、心配や悩みなどストレスを抱えているときにも、ノートに書き出すと良いでしょう。

ネガティブな気持ちを手放すと、感情がコントロールできるようになります。

ファイトケミカルを意識した食事

バランスの良い食事メニューを毎日考えるのは難しいものです。

そこで、赤・黄・緑・紫・茶など色鮮やかなファイトケミカルを意識した食事メニューを考えます。

ファイトケミカルとは、植物が紫外線や虫から身を守るためにつくり出した色素や香り、渋味や辛味などの成分です。

例えば、トマトならリコピン、ほうれん草ならルテインなどがファイトケミカルに当たります。

ファイトケミカルには、老化の原因になる活性酸素を防ぐ効果もあり、健康には欠かせません。

少し負荷をかけたウォーキング

運動が苦手という方ででも、通勤・買い物などで歩く機会は多いのではないでしょうか。

その時間を利用して、少し早歩きでウォーキングをしましょう。

運動をするとき、筋肉が酸素や栄養素を必要とするために血管が広がり血圧が下がります。

さらに、体に蓄えられた余分な脂肪が燃焼されたりストレス解消されたり、運動にはさまざまな健康効果が期待できます。

マインドフルネスでリラックス

マインドフルネスとは、ありのままの自分に気付き受けいれる心の持ち方です。

モヤモヤした気持ちをスッキリさせるのに役立ちます。

しかも、マインドフルネスの方法はとても簡単です。

仕事の合間や就寝前に試してみましょう。

マインドフルネスの方法

  1. 背筋を伸ばして座る、イスでも床でもOKです。
  2. 目を閉じる
  3. 呼吸に意識を集中する
  4. 頭に何か浮かんできても受け流す
  5. 全身で呼吸をするイメージで5~15分程度続ける

マインドフルネスを生活に取り入れてストレスや疲労を軽減しましょう。

質のいい睡眠のために早起き

最近では、睡眠に特化したグッズやアプリが増えてきました。

コロナ禍によって、ライフスタイルが変化し、質の良い睡眠に注目が集まっているからです。

そして、生活習慣病と密接に関わる睡眠の重要性が再認識されています。

質の良い睡眠を得るためには「朝は早起きして太陽の光を浴びること」です。

朝に体内時計がリセットされ、夜には自然な眠りにつけます。

また、夕食は胃腸に負担をかけないように消化に良い物を食べましょう。

さらに、寝る直前はパソコンやスマートフォンの光を避けて、睡眠を妨げないようにすることが重要です。

このような行動は、睡眠リズムを整え、生活習慣病の予防にも役立ちます。

健康的な生活で生活習慣病の予防を

この記事では生活習慣病の原因とその予防について紹介しました。

生活習慣病は日々の生活習慣を改善することが予防につながります。

1駅多く歩く、階段を使う、ストレッチを心がけるなど、少しずつでも自分にできそうなことから健康的な生活に取り組んでいきましょう。


服部かおる

服部 かおる

服部内科院長/医学博士/内科医師

\この記事をお読みの方におすすめの資格!/


食生活長寿アドバイザー

学んですぐに実践できるセンテナリアンの食事の基本の軸を学び、日々の食事の見直すことで、①料理時間の短縮②栄養のバランスが取れる③食材・食費の無駄が減るといったことが目指せます。
また、季節ごとの具体的な献立もご紹介。学んですぐに実践いただけます。

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「人生100年時代」を生きる、支えるための生活習慣・介護・社会とのかかわり方など、健康面以外の知識も含め、総括的に学べます。介護士などの福祉関係者や看護師などの医療従事者の方など、高齢者とのかかわりの多い方に多く受講されています。
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