アロマコーディネーターとは？資格の特徴と学び方を解説

香りがもたらす癒しの力は、私たちの心や身体のバランスを整え、暮らしに穏やかさを与えてくれます。

その魅力を体系的に学び、日常や仕事で香りを提案できるようになるのが、日本アロマコーディネーター協会（JAA）が認定する「アロマコーディネーター資格」です。

この資格では、アロマテラピーの理論や精油の正しい扱い方、香りのブレンドや表現技法までを幅広く習得できます。

学んだ知識は、家庭でのセルフケアはもちろん、サロン運営・講師活動・地域貢献などにも活かせる実践的な内容です。

本記事では、アロマコーディネーター資格の特徴や学べる内容、取得方法、費用の目安、他団体との違いまでを詳しく解説します。

香りを通して人を癒し、笑顔を届けたい方は、ぜひ参考にしてください。

アロマコーディネーターとは？日本アロマコーディネーター協会（JAA）の資格概要

日本アロマコーディネーター協会（JAA）より引用

アロマコーディネーターとは、アロマセラピーに関する正しい知識を身につけ、安全に生活へ取り入れられる人を認定する資格です。

発行元は、1995年に設立された日本アロマコーディネーター協会（JAA）。

アロマを通じて社会貢献できる人材を育てることを目的に、全国約1,000の認定校と800の登録店を展開しています。

この資格は、アロマを「楽しむ」だけでなく、香りの提案・指導・活動支援まで行える実践的な内容が特徴です。

また「アロマコーディネーター」は2004年に商標登録された、JAAのみが認定・使用できる正式資格名称です。

日本アロマコーディネーター協会（JAA）の理念と活動

日本アロマコーディネーター協会（JAA）は、「アロマセラピーおよび関連リラクゼーションの健全な普及」を理念に掲げ、誰もが平等に学べる環境を整備しています。

本部所在地は東京都豊島区南池袋（今井ビル5階）にあり、個人会員約2万人・法人会員38社（平成29年時点）を擁する国内有数のアロマ団体です。

主な活動は次の通りです。

• アロマコーディネーター資格の認定・普及
• 認定校（約1,000校）・登録店（約800店舗）の運営支援
• 医療・福祉・教育現場へのアロマ導入支援
• アロマイベント・香育活動の開催

直轄校「JAS日本アロマコーディネータースクール」を中心に、全国で専門的な教育を展開しています。

アロマコーディネーター資格の目的と位置づけ

アロマコーディネーター資格は、JAA教育体系の基礎を担う中心的な認定資格です。

香りの専門知識を正しく学び、安全に活用できる人材を育成することを目的としています。

アロマセラピーの理論・精油の性質・心理的作用などを総合的に学ぶことで、「自分や家族の健康を守る」から「社会に香りを届ける」まで、多様な応用の土台を築けます。

この資格は、アロマを感覚的な癒しとしてだけでなく、科学的根拠に基づいたセルフケア・支援の手段として捉える姿勢を重視しています。

つまり、香りを通じて人々の生活の質を高め、心身の健康に寄与する人材を育てるための出発点といえるでしょう。

アロマコーディネーター資格で学べる内容

アロマコーディネーター資格では、香りを楽しむだけでなく、理論・安全性・実践スキルを体系的に学べるカリキュラムが組まれています。

授業は全15レッスン構成で、アロマの基本理論から精油ブレンド、ボディケア、香水づくりまでを幅広くカバー。

さらに、別冊教材として「Essential Oil Guide Book（32種類の精油データ集）」と「予防医学とセルフメディケーション編」が付属し、健康・未病・生活習慣と香りの関係まで深く学べる点も特徴です。

アロマ理論と精油の正しい扱い方

カリキュラム前半では、アロマテラピーの基本理論とともに、精油の安全性・作用・成分を科学的に学びます。

精油の抽出法や希釈率、禁忌事項を理解し、安心して生活や仕事に取り入れられる知識を習得します。

以下は、アロマコーディネーター資格で学ぶ全15レッスンのカリキュラム一覧です。

レッスン	学ぶテーマ	実習内容
Lesson1	精油の扱い方を知る	手浴・吸入 バスソルトづくり
Lesson2	精油の生い立ちを知る	ボディシャンプー
Lesson3	トリートメントオイルを知る	ハンドトリートメント
Lesson4	精油のブレンド方法を身に着ける	ローション
Lesson5	精油の香りが脳に与える影響を知る	フェイスパック
Lesson6	フェイストリートメントの体験	フェイストリートメント
Lesson7	香りの歴史を知る	ハンガリーウォーター
Lesson8	精油の安全性と危険性を知る	マウスウォッシュ
Lesson9	精油の作用と身体の仕組みを知る	ヘアパック
Lesson10	オイルトリートメントを知り、体験する	バックトリートメント
Lesson11	香りの心理作用を考える	エアーフレッシュナー
Lesson12	香水の知識を深め、精油で作成	オリジナル香水
Lesson13	精油の成分を類ごとに知る	歯磨きペースト
Lesson14	精油の禁忌の理由を成分から考える	クリーム
Lesson15	アロマセラピーに関する法令を知る	―

また、32種類の精油データ（作用・成分・相性など）を網羅した「Essential Oil Guide Book」により、専門的な知識を確実に身につけることができます。

香りのブレンド・表現・提案スキルの習得

中盤以降のレッスンでは、香りを人や目的に合わせて調和させるブレンド力や、提案力・表現力を磨きます。

香りの組み合わせ方や心理的影響、トリートメント体験を通して「香りの伝え方」を実践的に学びます。

最終レッスンでは「香りの歴史（Lesson7）」や「法令・倫理（Lesson15）」も学び、感性だけでなく社会的責任を持つ香りの専門家としての基礎を確立します。

アロマコーディネーター資格の取得方法と学習の流れ

アロマコーディネーター資格を取得するには、まず日本アロマコーディネーター協会（JAA）が指定するスクールで、所定のカリキュラム（全15レッスン）を修了する必要があります。

修了後に、JAAが実施するアロマコーディネーター認定試験を受験し、合格後にJAAへ正会員登録を行うことで資格が正式に認定されます。

学び方は通学・オンライン・通信と柔軟に選べるため、仕事や家庭と両立しながら資格取得を目指せます。

受講スタイル（通学・オンライン）の特徴

JAA認定のアロマコーディネーター講座は、学ぶ目的や生活スタイルに合わせて柔軟に選べます。

• 通学講座（加盟校）：講師による対面指導で香りやブレンドを体感的に学ぶ。少人数制で質問しやすく、仲間との交流も魅力。
• オンライン講座（加盟校）：自宅でリアルタイム授業や録画講義を受講可能。地方在住や多忙な方にもおすすめ。
• 通信講座（JAA直轄校・日本アロマコーディネータースクール）：教材を使って自分のペースで進められる形式。通学が難しい方にも人気。

どの形式でも、JAAが定めた統一カリキュラムを学ぶため、資格の質・認定基準は全国で共通しています。

試験内容・合格基準・認定までのステップ

資格取得までの流れは以下の通りです。

1. JAA直轄校または加盟校で全15レッスンを修了
2. アロマコーディネーター認定試験に出願・受験
3. 合格後、JAAへ正会員として登録（登録料＋年会費）
4. 「アロマコーディネーター」資格が正式に認定

試験は年3回（2月・6月・10月）実施されます。

試験項目	内容
理論試験	筆記・択一式 （アロマ理論・精油・安全性など）
小論文	約800字の課題作文 （香りの活用や理念など）

試験会場

• JAS直轄校修了生：在宅受験
• 加盟校修了生：各校指定会場での受験

合格基準は総得点の70％以上が目安。合格後、会員登録を行うことで正式認定となります。

費用・学習期間・更新制度の目安

アロマコーディネーター資格取得にかかる主な費用は以下の通りです。

項目	費用（税込）
受講料	約150,000〜200,000円 （教材・実習費込み） ※スクールにより異なる
受験料	11,000円
登録料（初回）	33,000円
年会費	13,200円／年

学習期間の目安は3〜6か月程度。

資格取得後は、年会費を納めることで正会員資格を維持でき、JAA主催のセミナーや上位資格（例：JAA認定インストラクター）への進級も可能です。

学びを継続しながら、香りの専門家としての知識を高めていける環境が整っています。

どんな人におすすめの資格か

アロマコーディネーター資格は、アロマ初心者から専門的な知識を身につけたい方まで、幅広い層におすすめです。

香りを通じて心身を整える技術を学ぶことで、日常生活の質を高めるだけでなく、仕事や地域活動にも応用できます。

また、JAAの認定資格として全国的な信頼性があり、独立開業・講師活動・他資格との併用など、学びの目的に合わせた活用の自由度が高いのも魅力です。

家庭でのセルフケアから、プロフェッショナルとしての活動まで、ライフステージに応じて長く活かせる資格です。

初心者からプロを目指す人まで幅広く対応

この資格は、アロマに初めて触れる方でも安心して学べるよう、理論と実習をバランスよく構成しています。

全15レッスンを通じて基礎から実践まで段階的に学べるため、「趣味から始めて資格取得へ」という流れが自然に作れます。

また、資格取得後は、JAAのサポートを受けながら、サロン開業・講師・イベント活動など、より専門的な道へ進むことも可能。

個人の目標に合わせて、ライフワークとして香りを学び続けられる柔軟さが魅力です。

医療・福祉・教育など異業種で活かせる理由

アロマテラピーは、香りによるリラクゼーション効果や情緒の安定など、心身のケアに寄与する自然療法として注目されています。

そのため、医療・介護・福祉・教育など、人と関わる職種での活用価値が高いのが特徴です。

• 医療・看護現場：緊張緩和や心のケア
• 介護施設：入居者のリラックス・快眠支援
• 教育・保育現場：香りを通じた情緒安定や集中力向上

このように、アロマの力を「補助的なコミュニケーションツール」として活用できるため、専門知識を持つことが現場での信頼や提案力にもつながります。

資格取得後の活かし方

アロマコーディネーター資格は、学んで終わりではなく、自分の暮らしや仕事に香りの専門性を取り入れるための資格です。

JAAでは、資格取得後の活動を支援する仕組みが整っており、サロンやスクールでの独立開業はもちろん、イベント出展や講師活動など多様な道が開かれています。

また、医療・福祉・教育分野でのアロマ導入や、地域の健康づくり活動に携わる人も増加中。

自分のライフスタイルや社会との関わり方に合わせて、香りで人を支えるという形を自由に描ける資格です。

サロンや教室での活動・独立開業の例

資格取得後は、アロマを仕事として活かす道が広がります。

たとえば、次のような活動例があります。

• アロマサロンやリラクゼーションサロンの開業
• アロマクラフト・香り講座の開催（個人教室・カルチャースクールなど）
• イベントや企業研修での香り体験ワークショップの実施
• JAA認定講師として教育活動

JAAでは、資格取得者に対して活動報告・サポート制度も用意されており、開業や講師活動の相談も可能。

自分の得意分野を活かして、香りを通じたキャリア形成を目指すことができます。

家庭・職場・地域での実践的な活用方法

アロマコーディネーターの知識は、家庭や地域でも幅広く役立ちます。

• 家族のリラックスや快眠サポートにアロマを取り入れる
• 季節や体調に合わせた香りでセルフケア
• 職場でのストレス緩和や集中力アップに香りを活用
• 地域イベントや福祉施設でのアロマワークショップ開催

特に、高齢者施設や子ども向け支援活動での香り活用は、近年注目されている分野です。

「香りを届けること＝心のケアにつながる」ため、資格を通じて社会貢献にもつなげることができます。

アロマコーディネーターと他団体資格の違い

アロマ関連資格は複数の団体から発行されていますが、それぞれ目的・学習内容・活動範囲が異なります。

JAAの「アロマコーディネーター資格」は、生活や仕事の中で香りを提案・活用できる力を育てる実践型資格です。

一方、公益社団法人日本アロマ環境協会（AEAJ）や、イギリスの国際団体IFA・IFPAは、学術・施術・国際認定に重点を置いています。

自分の目的（家庭での活用／専門的施術／海外活動など）に合わせて選ぶことが大切です。

AEAJアロマテラピーアドバイザーとの違い

AEAJ（公益社団法人 日本アロマ環境協会）が発行する「アロマテラピーアドバイザー」は、アロマの安全な使い方を一般に広めるための普及型資格です。

一方、JAAの「アロマコーディネーター資格」は、香りのブレンド・提案・講座開催など、実践的な活動に直結する資格です。

比較項目	AEAJ アロマテラピーアドバイザー	JAA アロマコーディネーター
運営団体	公益社団法人 日本アロマ環境協会	一般社団法人 日本アロマコーディネーター協会
主な目的	アロマの安全普及・啓発	香りの提案・実践的活用
学習内容	精油の基礎・安全性中心	理論＋ブレンド＋提案＋表現力
活動範囲	家庭・ボランティア	教室・サロン・企業・地域活動

どちらもアロマの理解を深める資格ですが、AEAJは理論重視、JAAは実践重視という方向性の違いがあります。

アロマテラピーアドバイザーとは？資格の特徴と活かし方を解説アロマテラピーアドバイザーは、公益社団法人日本アロマ環境協会（AEAJ）が認定する資格です。香りの正しい知識や安全な使い方を学び、暮らしや仕事でアロマを活かしたい方に向けて、特徴・取得方法・活用例をわかりやすく紹介します。...

IFA・IFPAなど国際資格との比較と使い分け

IFA（国際アロマセラピスト連盟）やIFPA（国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟）は、いずれも英国を本部とする国際的資格団体で、専門的な施術技術（ボディトリートメント・解剖生理学など）を学ぶ高度資格です。

一方、JAAのアロマコーディネーター資格は、より身近なレベルで香りを生活や教育・地域活動に活かすことを目的としています。

比較項目	IFA・IFPA国際資格	JAA アロマコーディネーター
主な目的	国際水準のアロマセラピスト育成	生活・教育・地域での香り活用
学習内容	解剖学・生理学・臨床アロマ	精油理論・ブレンド・提案法
学習期間	1〜2年（専門課程）	約3〜6か月（基礎〜実践）
活動範囲	海外・医療・専門サロン	教室・家庭・地域活動

国際資格はプロフェッショナル施術者向け、JAA資格は日常やキャリアに香りを取り入れる実践者向けといえます。

目的に応じて、JAAから国際資格へステップアップする学び方も可能です。

まとめ｜香りの力を学び、暮らしと仕事に活かす一歩に

アロマコーディネーター資格は、香りを通じて人の心と身体を整える知識と技術を身につけられる実践的な資格です。

学ぶほどに、香りがもたらす癒しやコミュニケーションの力を日常や仕事で感じられるようになります。

家庭でのセルフケアから、教室やサロン、地域活動、福祉現場まで――活かし方はさまざま。

香りを学ぶことは、自分自身を見つめ、人とのつながりを育むことにもつながります。

「誰かの笑顔や健康を支えたい」と願う方にとって、アロマコーディネーターはその想いを形にできる第一歩となるでしょう。