AEAJ認定アロマテラピーインストラクター資格の特徴と取得方法

アロマテラピーインストラクターとは、香りの専門知識をもとに、人々の健康と心の豊かさを支える教育者のための資格です。

公益社団法人 日本アロマ環境協会（AEAJ）が認定する本資格は、アロマの理論・安全性・人体への作用などを体系的に学び、正しく「教える力」を養うことを目的としています。

アロマテラピーをより深く学びたい方、そしてその魅力を多くの人に伝えたい方にとって、信頼性の高いステップアップ資格といえるでしょう。

アロマテラピーインストラクターとは？

公益社団法人 日本アロマ環境協会（AEAJ）より引用

アロマテラピーインストラクターとは、アロマテラピーに関する幅広い知識を持ち、安全で効果的な使い方を「教える」ことのできる教育者のための資格です。

公益社団法人 日本アロマ環境協会（AEAJ）が認定する公的性格の強い資格で、香りと健康の関係を科学的に理解し、人々に正しく伝えるスペシャリストを育成することを目的としています。

自律神経やホルモンバランス、メンタルケアなど、アロマが心身に与える働きを学び、家庭・教育・医療・福祉など、さまざまな場面で活かすことができます。

アロマを正しく伝える教育者のための資格

アロマテラピーインストラクターは、アロマの楽しみ方を伝えるだけでなく、根拠に基づいた安全な活用法を広める役割を担います。

取得後は次のような活動が可能です。

• 自宅教室やカルチャースクールでのアロマ講師
• 教育機関や地域イベントでの香育（こういく）活動
• 医療・介護・福祉現場でのリラクゼーション支援
• セルフケアや家族の健康サポート

アロマを「自分が使う」から「人に伝える」へ。
香りを通じて、生活の質を高める活動を実践できるのがこの資格の特徴です。

日本アロマ環境協会（AEAJ）が認定する信頼ある資格

アロマテラピーインストラクターは、公益社団法人 日本アロマ環境協会（AEAJ）が運営する全国統一資格です。

AEAJは2005年に設立され、現在約4万名の個人会員と200社以上の法人会員を有する、日本最大規模のアロマ関連団体です。

項目	内容（2025年3月31日現在）
認定団体	公益社団法人 日本アロマ環境協会（AEAJ）
所在地	東京都渋谷区神宮前6丁目34番24号 AEAJグリーンテラス
資格認定者数	アロマテラピーインストラクター 13,025名
認定スクール	全国106校 （インストラクター認定校121校）
カリキュラム時間	標準50時間以上 （認定スクールまたは独学可）
所轄行政庁	内閣総理大臣

AEAJが定めるカリキュラムは、精油の特性や人体の構造、安全性、指導法などを体系的に学べる内容です。

また、公益法人として運営されているため、資格の信頼性が高く、教育・医療・地域活動など公的な場面でも広く活用されています。

なぜ今、アロマテラピーインストラクターが注目されているのか

近年、心身のバランスを整える「ウェルビーイング（Well-being）」への関心が高まり、アロマテラピーが再び注目されています。

特にストレス社会や高齢化が進む中で、自然の香りを取り入れたセルフケアやメンタルケアを学びたいという人が増加。

その中で、正しい知識をもって人に教えられる「アロマテラピーインストラクター」の需要が拡大しています。

自宅や地域で教えるだけでなく、医療・福祉・教育現場など、香りを通じた健康サポートの担い手としても期待されています。

癒しと健康のニーズ拡大で「教える力」が求められる

アロマテラピーは「香りを楽しむ趣味」から「健康維持やメンタルケアの一手段」へと位置づけが変化しています。

SNSや書籍で情報が氾濫する今こそ、科学的根拠に基づき、正しく教えられる専門家が求められています。

アロマテラピーインストラクターは、こうしたニーズに応える教育者です。

• 精油の作用や安全性を理論的に説明できる
• 個人の体調や年齢に合わせたアロマ提案ができる
• 正しい使い方を伝え、誤った情報を防ぐ

この「伝える力」を身につけることで、家庭・職場・地域社会に香りの知識を広める活動が可能になります。

医療・福祉・教育現場でもアロマの活用が進む背景

香りによるリラクゼーション効果は、医療・介護・教育の分野でも注目されています。

介護施設では、不安や不眠をやわらげる目的でアロマトリートメントを導入するケースが増加。

また、保育園や学校では「香育（こういく）」として、子どもたちに香りを通じて感性を育む教育活動も広がっています。

こうした現場では、安全性や成分知識を持つ専門人材が欠かせません。

アロマテラピーインストラクターは、現場の職員教育や講習会の講師としても信頼される存在です。

まさに、時代の変化に応じて必要とされる「教える資格」といえるでしょう。

資格の特徴と学べる内容

アロマテラピーインストラクター資格では、アロマテラピーの基礎から人体への作用、安全性、教育法までを体系的に学びます。

AEAJが定める標準カリキュラム（全50時間）を通じて、香りの知識を科学的に理解し、人に「教える力」を身につけられるのが特徴です。

学習は全国106校のAEAJ認定スクールでの対面授業のほか、公式テキストを使った独学でも受験可能。

精油の魅力を体験しながら、実践と理論の両面から学べる実用的な内容になっています。

アロマ理論・身体への作用・安全性を体系的に学ぶ

AEAJの標準カリキュラムでは、アロマテラピーの起源から精油の科学的理解、人体への作用、安全性、そして実践までを体系的に学びます。

全9科目・合計50時間（3,000分）の学習を通じ、香りの知識を感覚的ではなく科学的に説明できるようになるのが特徴です。

学習科目	学習時間	主な学習ポイント
アロマテラピーの源流を知る	1.5時間	アロマの起源や文化的背景を学ぶ
植物を知る	0.5時間	精油を生み出す植物の特徴・分類を理解
精油を知る	24時間	成分・抽出法・化学構造・安全性の理解
人体を知る 精油を使う（不調・痛み） 健康の基本	18時間	香りが身体に作用する仕組みや健康維持への応用を学ぶ
ケーススタディ	4時間	実際の事例を通して精油の選定・提案を考察
インストラクターとして活動する	2時間	教室運営や講師活動の準備・倫理を学ぶ

このように、理論・実践・教育法を包括的に学ぶことで、アロマを安全かつ効果的に伝える指導力が身につきます。

指導法・心理学・コミュニケーション力も身につく

アロマを「教える」ためには、相手の理解を促す伝え方や、心に寄り添う姿勢も重要です。

そのためカリキュラムでは、教育法・心理学・健康指導に関する内容も取り入れられています。

具体的には次のようなスキルが身につきます。

• 受講者の興味や理解度に合わせた授業の組み立て方
• 心理的なリラクゼーションを促す声かけ・進行法
• 教室運営や講座開催に必要なコミュニケーション力
• 実例を分析するケーススタディを通じた実践力

このように、アロマテラピーインストラクター資格では理論・実践・指導力の三要素を総合的に学べるため、教育・医療・福祉・地域活動など幅広い分野で信頼される人材を目指せます。

資格取得の流れと試験概要

アロマテラピーインストラクター資格は、アロマを「学ぶ」から「教える」へと進む上級資格です。

取得までの流れは段階的に設計されており、基礎をしっかりと身につけてから専門分野に進むことができます。

資格取得のステップ：

1. アロマテラピー検定1級に合格
2. 日本アロマ環境協会（AEAJ）へ入会（個人正会員）
3. アロマテラピーアドバイザー資格を取得
4. 認定スクールまたは独学でインストラクター科目を履修
5. 学科試験に合格し、資格登録を行う

このように、初学者からでも段階を踏んで専門的な指導者資格を目指せる仕組みになっています。

受験資格・履修条件とAEAJ認定スクールでの学習

受験には、基礎資格の取得と所定カリキュラムの履修が必要です。
受験資格は次の3点を満たす方となります。

条件	内容
所属要件	AEAJ個人正会員であること
事前資格	アロマテラピーアドバイザー資格を取得済み
履修条件	AEAJ認定スクール（標準カリキュラム50時間）または独学での学習修了

全国にある認定スクール（106校）では、通学・オンライン・通信など柔軟な形式で学習が可能です。

授業では実際に精油を扱いながら実践的に学ぶことができ、教育法や発表演習など教える側のスキルも養われます。

試験内容・実施時期・合格基準のポイント

アロマテラピーインストラクター試験は、正式名称「アロマテラピーインストラクター・アロマセラピスト共通学科試験」として実施されています。

AEAJが発行する『アロマテラピーインストラクター公式テキスト』（最新改訂版）をもとに、アロマ理論・精油学・人体の仕組み・教育法・安全性などの知識を幅広く問う内容です。

試験項目	内容
試験形式	インターネット試験 （選択解答方式）
試験時間	約65分
出題数	80問
出題範囲	『AEAJ認定アロマテラピーインストラクター公式テキスト』 （最新改訂版）
合格基準	正答率80％以上
受験料	5,236円（税込）
資格登録認定料	10,450円（税込）

試験はオンラインで行われ、自宅や静かな個室など、集中できる環境で受験します。

出題範囲は公式テキストに沿っているため、スクールでの学習または独学で十分に対応可能です。

合格後は資格登録手続きを経て、正式に「AEAJ認定アロマテラピーインストラクター」として認定されます。

学べる場所・期間・費用の目安

アロマテラピーインストラクター資格は、全国のAEAJ認定スクールで学ぶことができます。

認定スクールは全国に100校以上あり、社会人や子育て世代でも通いやすいスケジュールが整っています。

授業は少人数制が多く、精油の香りを体験しながら実践的に学べるのが特徴です。

また、通信・オンライン形式にも対応しており、自宅で動画講義を受けながら学ぶことも可能です。

自分のライフスタイルに合わせて、通学・オンラインなど最適な方法を選択できます。

全国のAEAJ認定スクールと学習スタイルの選び方

AEAJ認定スクールは、教育内容・講師の質・実習環境が厳しく審査され、基準を満たした教育機関のみが登録されています。

授業は「通学制」が基本ですが、近年はオンライン授業を一部取り入れるスクールも増えています。

学習スタイル	特徴
通学制	教室で講師から直接学び、精油を使った実習や発表を行う。理解度が深まりやすく、講師から直接フィードバックを受けられる。
オンライン対応制	一部スクールが実施。自宅で動画やライブ配信を通して学習し、実習部分のみを対面で行うケースもある。

学ぶ目的や生活リズムに合わせて、自分に合ったスタイルを選ぶことが大切です。

特に、講師との相性や指導法の雰囲気を確認するために、体験講座や説明会への参加がおすすめです。

受講期間・費用・教材費・試験料の相場

標準カリキュラムは50時間（3,000分）で構成されており、多くの受講生は3〜6か月ほどで修了しています。

受講料や教材費はスクールによって異なりますが、学習形態（通学／オンライン）や地域、サポート内容によって幅があります。

費用項目	目安	備考
受講料	各スクールにより異なる （全国的には約10万円台が中心）	通学・オンライン・カリキュラム内容によって変動
教材費	スクールにより異なる	精油・テキスト・実習用器具などを含む
受験料	5,236円（税込）	AEAJ共通学科試験受験料
資格登録料	10,450円（税込）	合格後の登録時に必要

※受講料や教材費の詳細は、各認定スクールの公式サイトを確認してください。

スクールによっては分割払い・オンライン割引・再受講制度などを設けている場合もあります。

取得するメリットと活かし方

アロマテラピーインストラクター資格を取得することで、香りに関する知識だけでなく、教える力と社会的な信頼を得ることができます。

単なる趣味や個人のケアにとどまらず、学びを活かして周囲の人の健康づくりや心のサポートに貢献できるのが大きな魅力です。

資格を通して得た知識と伝える力は、教育や地域活動、企業研修など多様な場面で応用できます。

香りの専門家として、アロマの価値を正しく広める活動に取り組むことで、自身のキャリアにも大きな広がりが生まれます。

専門知識の証明と講師・教育活動への活用

この資格は、アロマに関する専門知識を体系的に修得し、人に教える力量を備えた証明となります。

資格を取得することで、教育機関や地域団体、企業などから依頼を受け、講座やセミナーを担当する機会が増えます。

特に最近では、ストレスケア・メンタルヘルス・香りの文化教育などの分野で、アロマを体系的に伝えられる講師のニーズが高まっています。

知識と信頼を兼ね備えた資格保持者として、香りを通じた学びや健康づくりのサポートに関われる点が大きな強みです。

アロマテラピー検定からのステップアップにも最適

アロマテラピーインストラクター資格は、基礎から一歩進んで「教える力」を磨くための上級資格です。

アロマテラピー検定で身につけた知識をもとに、香りの作用・教育法・心理的効果をより深く学ぶことで、専門家としての発信力が高まります。

資格を取得することで、将来的にはアロマセラピストなど上位資格への発展や、講師・スクール運営など独立的な活動にもつなげることができます。

学びを続けながらキャリアを築ける点が、この資格の最大の魅力です。

他資格との違いとおすすめの対象者

アロマ関連の資格は多く存在しますが、AEAJ認定アロマテラピーインストラクターは、教育を目的とした「指導者資格」として位置づけられています。

一般的なアロマ検定やアドバイザー資格が「香りを楽しみ、日常で活かす」レベルなのに対し、本資格では、科学的根拠に基づいた理論や指導法を学び、人に教える立場としての専門性を備えます。

AEAJが公益社団法人である点も信頼性が高く、資格保持者は全国的に認知されやすいのが特徴です。

AEAJの他資格や他団体のインストラクター資格との違い

AEAJでは、アロマテラピーアドバイザー・アロマブレンドデザイナー・アロマハンドセラピストなど、目的の異なる複数の資格を展開しています。

その中でアロマテラピーインストラクターは、唯一「教育者育成」を目的とする上級資格です。

比較項目	アロマテラピーアドバイザー	アロマテラピーインストラクター
資格の目的	アロマの正しい使い方を伝える	教育者として体系的に教える
活動内容	一般向けアドバイス・販売補助	講師・教育・カリキュラム監修
学習レベル	基礎知識	専門的・理論的・教育法を含む
対象者	初心者〜一般愛好者	指導者・講師志望者

また、JAA（日本アロマコーディネーター協会）やIFA（国際アロマセラピスト連盟）など他団体のインストラクター資格は、内容や目的が異なります。

AEAJ資格は国内での教育普及を重視し、理論の体系化と安全性に最も重点を置いている点で、他団体と差別化されています。

アロマテラピーアドバイザーとは？資格の特徴と活かし方を解説アロマテラピーアドバイザーは、公益社団法人日本アロマ環境協会（AEAJ）が認定する資格です。香りの正しい知識や安全な使い方を学び、暮らしや仕事でアロマを活かしたい方に向けて、特徴・取得方法・活用例をわかりやすく紹介します。...

アロマを教えたい人・医療福祉で活かしたい人におすすめ

アロマテラピーインストラクター資格は、香りの知識を人に伝えたい方や、アロマを仕事や地域活動に活かしたい方に特におすすめです。

たとえば、次のような人に向いています。

• アロマ講師として教室・カルチャー講座を開きたい人
• 医療・介護・教育分野で香りを安全に取り入れたい人
• 正しい知識をもとに、家族や職場で香りを広めたい人
• 将来的にアロマセラピストや上位資格へ進みたい人

この資格を通じて得られるのは、「香りの知識」だけでなく、人を支える教育的コミュニケーション力。

自身のライフワークやキャリアにアロマを取り入れたい方に、長く役立つ学びとなります。

まとめ｜AEAJ認定アロマテラピーインストラクターで広がる学びとキャリア

アロマテラピーインストラクター資格は、香りを「楽しむ」から「伝える」へと発展させる上級資格です。

AEAJが体系化したカリキュラムを通じて、アロマの理論・安全性・教育法を総合的に学び、信頼ある知識として人に教えられる力を身につけます。

取得後は、講師活動や地域での香り教育、企業・福祉現場での健康支援など、活躍の場が広がります。

アロマの専門知識を社会に生かしながら、自分自身の成長にもつながる学び──それがAEAJ認定アロマテラピーインストラクター資格の魅力です。