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世界5大長寿地域のひとつ、イタリア・サルディーニャ島での長寿の秘訣とは

イタリア・サルディーニャ島での長寿の秘訣

ナショナル・ジオグラフィックが健康で長寿な人たちが多く居住する「BLUE ZONE」として認定した5地域(イタリア・サルディーニャ島、日本・沖縄、アメリカ合衆国・カリフォルニア州・ロマ・リンダコスタリカ・ニコヤ半島ギリシャ・イカリア島)のうち、サルディーニャ島にはどのような特徴があるのでしょうか。

この記事ではサルディーニャ島の住民の長寿の秘訣について探ります。

谷口 順彦

この記事ではイタリア・サルディーニャ島という地域について詳しく解説しています。

この地域特有の長寿の秘訣について見ていきましょう。

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イタリア・サルディーニャ島は「BLUE ZONE」の1つ

日本に住む私たちと、まだ医療体制が十分に確立されていない国の人々とでは、平均寿命に違いが出るように、住む場所によって長生きできる人の割合は変わるとされています。

イタリアにあるサルディーニャ島は、長寿の人が多いエリアの1つに数えられ、こうしたエリアのことを「BLUE ZONE(ブルーゾーン)」と呼びます。

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イタリア ・サルディーニャ島はBLUE ZONEに指定された最初の地域

イタリア半島の西側に位置するサルディーニャ島は、一番最初にブルーゾーンに認定された地域です。

その中でも、特に山岳地帯のバルバギア地方は、男性の長寿者が多くなっており、一般的な長寿の男女比率とは違った様子が見られる点も特徴です。

イタリア ・サルディーニャ地方の暮らしと長寿の秘訣

サルディーニャ島は地中海に浮かぶ島で、リゾート地としても有名です。

観光スポットも多く、観光客やバケーションでのんびり過ごす人々で賑わいますが、今もなお伝統文化が強く残り、昔ながらの暮らしを送る住民もたくさんいます。

一般的に、長寿に必要とされる要素は、遺伝子と食事、運動であると考えられていますが、サルディーニャ地方の長寿者たちはどのような暮らしを送っているのでしょうか。

長寿者の多くは羊飼いや農民

とりわけ長寿者の多いバルバギア地方には、羊飼いや農民として生きてきた人々が多く暮らしています。

子どもはまだ幼いころから家の仕事を習い、大人とともに働くことも珍しくありません。

年齢を重ねても体が動く限り働き、よく歩き、動きます。

この地域の羊飼いや農民たちは、運動と意識せずとも常に体を動かす暮らしが身に付いています。

伝統的な食事に隠された長寿の秘訣

サルディーニャ島の伝統的な食事は、無漂白の全粒粉で作られたパンや豆、野菜、果物が定番となっています。

それに1~2杯程度のワイン、現地で育つ羊の乳で作られるチーズ、ヤギのミルクも食卓には欠かせません。

肉は家畜から賄うことも珍しくなく、市街地では違法とされる牛の屠殺などもバルバギア地方では古くからの慣習として根強く残っています。

牛肉は1週間の終わりである日曜日やお祭りのときに食されることが多いです。

肉は贅沢な食材であり、毎日食べられるほど豊かな家庭は少ないといいます。

また、地中海地方にありながら、あまり魚を食さないのも特徴と言えるでしょう。

このことからも分かるように、サルディーニャ島の長寿者たちの食生活は決して豪華とは言えず、きわめて質素なものです。

同じ島内のリゾート地周辺や地中海周辺の食生活を基準に考えると、粗食と言えます。

適量のワインがもつ健康効果

サルディーニャ島の長寿者たちは、毎日適量のワインを飲むことが欠かせないと言います。

乾杯の挨拶である「アケンターノス」という言葉の意味は、『100歳までの命と健康』であり、それはまるでワインで乾杯をすることが長生きの秘訣であると言い表しているかのような印象を与えるでしょう。

この地域の特産ワイン「カンノナウ・ワイン」は動脈硬化の予防に良いとされるフラボノイドを多く含むとされています。

その量は、他のワインと比較して2倍、3倍程度多いと言われています。

このワインは伝統的な製法で作られており、一般的なワインに比べて長時間皮を果汁につけています。

この製法がフラボノイドを増やす要因となっています。

ヤギミルクや乳香のもつ作用

サルディーニャ島のヤギミルクはアルツハイマー型認知症や動脈硬化の予防につながるとされています。

この地域のヤギミルクに入っているタンパク質や脂肪酸が予防効果を持っていると言われています。

また、ヤギの乳マスティックオイル香は、オリーブオイルの代用品として使われています。

この乳香のもつ抗菌性が健康に役立っていることも、長寿を叶える1つの要素かもしれないと言われています。

サルディーニャ島の独特な長寿事情

一般的に、男性よりも女性の方が平均寿命は長く、ブルーゾーンにおいてもその傾向があります。

しかし、サルディーニャ島に限っては、100歳以上の高齢者の男女比は1対1であり、女性と同じくらい男性も長生きです。

このことから、サルディーニャ島の長寿には、遺伝子・食事・運動だけではなく、島特有の要因もあると考えられます。

社会の一員として生き続けることができる

長寿の秘訣を探るとき、遺伝因子や食事、運動だけでは不十分であり、それと同じくらい大切なのは社会的要因や心理的要因であると考えられています。

つまり、高齢になっても孤立せず、役割をもち、大切な存在であり続けているという状態が長生きできるかどうかに関わってくるということです。

サルディーニャ島では、高齢者のもつ経験や知識はとても貴重とされています。

何か助言を求めたい時、若い人たちは高齢者の知恵を参考にし、高齢者たちはいつも社会とつながった存在として活躍しているといいます。

実際に、カリアリ大学の心理学科が行った2017年の研究では、サルディーニャ島の高齢者は他の地域に暮らす高齢者よりも社会活動への参加やレジャーへの参加が多かったと証明されています。

家族の長として大切な存在であると感じられる

サルディーニャ島のあるイタリアでも、北部の方では高齢になると介護施設へ入居することは珍しくありません。

しかし一方で、サルディーニャ島では、高齢になりお世話が必要になったとしても、家族や親戚、隣人が面倒を見るのが一般的で、介護施設へ入居する割合は非常に低いようです。

これは、前述のとおりサルディーニャ島では高齢者の存在が若い人にとって助けとなり、その場所に暮らし続けることが当たり前であるという考えが根付いていることの表れではないでしょうか。

いつまでも家族として大切に想われ、高齢者自身がそう実感できることが、長寿をもたらす要因の1つになると考えられます。

精神的な健康が幸福度を高め長生きにつながる可能性

イタリア・サルディーニャ島に暮らす人々は、決して裕福な人ばかりではありません。

特に長寿者の多い山岳地帯では、食事は極めて質素で、風土病などのリスクもあります。

持病を抱えていても、内服薬は必要最小限であり、生涯現役を貫く人々の姿は、十分すぎる医療や食材が揃っていなくても長生きできることを証明しているのではないでしょうか。

高齢になっても仕事や役割をもち、家族に大切にされながら様々な活動に積極的に参加することで、社会とのつながりを途切れさせない。

このような暮らしが、遺伝子・食事・運動とは別の長寿につながる重要な要素であると考えられています。

まとめ

BLUE ZONEの1つ、イタリア・サルディーニャ島では高齢者が地域の生活に強く根付いていることがわかりました。

地域の中で仕事や役割を持てること、これこそが「遺伝子・食事・運動」以外の健康長寿の秘訣だと言えるでしょう。

この記事を読んだあなたも、地域の行事に参加したり、ボランティアをしてみるなど、積極的に地域に関わってみるのはいかがでしょうか。


谷口 順彦

特定非営利活動法人日本統合医学協会理事
総合学園JOTアカデミー理事長

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「人生100年時代」を生きる、支えるための生活習慣・介護・社会とのかかわり方など、健康面以外の知識も含め、総括的に学べます。

介護士などの福祉関係者や看護師などの医療従事者の方など、高齢者とのかかわりの多い方に多く受講されています。

合格者は非営利活動法人日本統合医学協会のセンテナリアンアドバイザー資格が認定されます。

食生活長寿アドバイザー


学んですぐに実践できるセンテナリアンの食事の基本の軸を学び、日々の食事の見直すことで、①料理時間の短縮②栄養のバランスが取れる③食材・食費の無駄が減るといったことが目指せます。
また、季節ごとの具体的な献立もご紹介。学んですぐに実践いただけます。

薬膳インストラクター


発酵食品の基礎知識から甘酒、ぬか床、納豆、麹を使った調味料など、それぞれの発酵食品の特性や作り方、健康効果を学びます。さらに、ご家庭で実践できる発酵食品を使ったレシピも紹介されており、日常生活にすぐに取り入れることができます。