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ブルーゾーン(BLUE ZONE)の1つコスタリカ・ニコヤ半島の長寿の秘訣

ブルーゾーン(BLUE ZONE)という言葉をご存じですか?

ブルーゾーンとは健康で長寿な人たちが多く居住する5地域(イタリア・サルデーニャ島、日本・沖縄、アメリカ合衆国・カリフォルニア州ロマリンダ、コスタリカ・ニコヤ半島、ギリシャ・イカリア島)のことを言います。

ブルーゾーンの1つであるコスタリカのニコヤ半島に住む高齢者は「プラン・デ・ビーダ」という考えを持ちながら日々暮らしています。

この記事ではそんなコスタリカ・ニコヤ半島の長寿の秘訣について解説します。

谷口 順彦

自然豊かなコスタリカのニコヤ半島で暮らす高齢者たちは、実は平均所得が少ないと言われています。

そんな環境でも元気に暮らせる秘密を探っていきましょう。

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コスタリカ・ニコヤ半島はブルーゾーン(BLUE ZONE)の1つ

ブルーゾーンとは、世界で100歳以上の人々の割合が特に多い5つの長寿地域を指します。

コスタリカのニコヤ半島も以下の通り、その中の一つに含まれています。

  1. サルデーニャ島(イタリア)
  2. ロマリンダ(アメリカ・カリフォルニア州)
  3. イカリア島(ギリシア)
  4. ニコヤ半島(コスタリカ)
  5. 沖縄(日本)

そんなコスタリカは世界一幸福な国というキャッチフレーズで知られています。

その北西部に位置するニコヤ半島は、ブルーゾーンに認定されるように長寿者の多いエリアとしても有名です。

住民が、どんな暮らしをどんな環境で行っているのか見てみましょう。

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コスタリカ・ニコヤ半島はどんな地域

コスタリカ・ニコヤ半島は、中米に位置する自然豊かな地域です。多数の火山があり、国の中央部には北西から南東に向けて広大な高原台地が広がっています。

映画「ジュラシック・パーク」の舞台に選ばれたことからも分かるように、非常に自然豊かな場所で、地球上の全動植物種の約4%が生息するとも言われています。

特にさまざまな鳥類を見ることができる点が特徴で、クチバシの鮮やかさが魅力的なトゥカンをはじめ、約400種類もの鳥類が生息している、まさに野鳥の楽園です。

ニコヤ半島にある村の家々は、こうした豊かな自然の中にあり、まるで自然の一部であるかのように調和しています。

温暖な気候に恵まれ過ごしやすく、海と緑の両方に囲まれた大自然の中で人々の生活が営まれています。

コスタリカの人々は、もともと軍隊がないこともあり、牧歌的な国民性であることも特徴です。

豊かな自然とのどかでゆったりとした国民性、そしてほどよく整った福祉などが、世界一幸福な国を作り上げているのかもしれません。

世界トップクラスの長寿地域

外務省によればニコヤ半島のあるコスタリカの平均寿命は男性が78歳、女性が83歳とされています。

引用:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/cs_ame/costa.html

世界の平均寿命は72歳ですから、この時点で長寿の国であると言えます。

さらに長寿者の多いニコヤ半島の平均寿命は85歳と言われており、中年の死亡率が低く世界で2番目に100歳以上の男性が多い地域であるとされています。

「プラン・デ・ビーダ」から学ぶ長寿の秘訣

ニコヤ半島の人々は、合言葉のように「プラン・デ・ビーダ( plan de  vida)」と言葉を交わします。

これは、挨拶にも用いられますが、もっと広くさまざまな状況で使用される表現です。

プラン・デ・ビーダとは

プラン・デ・ビーダの言葉が意味するのは、「元気だよ」「順調だよ」「OKだよ」などですが、人生に対して「前向きで目標を持つ」という文化そのものを指す言葉としても認識されています。

目的意識をもった生活の重要性

プラン・デ・ビーダの文化によって、ニコヤ半島では高齢になっても前向きに、目標や人生の計画を心に暮らす人が多いといいます。

目標や計画があれば、何もせずボーッと余生を過ごすことも、起こりにくくなります。

高齢者たちは、目標や計画を実現するために、毎日自然と体を動かし積極的に暮らしています。

これは決して大袈裟なものではなく、庭が汚れたら掃除をする、薪が少なくなったら薪割りをする、若い人に知恵を授けるなど、1つひとつは日々の些細な出来事かもしれません。

しかし、高齢であるという理由で何事も諦めてしまうのではなく、出来ることを社会の一員としてやり続けるという心こそが、「元気に長生き」を実現するヒントであることがうかがえます。

コスタリカ・ニコヤ半島の長寿者たちの食事

長寿を叶える上で、食生活も重要な要素となります。コスタリカ・ニコヤ半島での食生活の特徴を見てみましょう。

全体的に、ニコヤ半島に暮らす長寿者たちは、加工品をあまり用いない健康的な食事をとるのが一般的です。

夕飯のボリュームは少なく、早い時間に済ませてしまうのも他の地域とは違うポイントでしょう。

日頃から口にしているのは、ミネラルを多く含む硬水です。

そして、たくさん収穫できるトロピカルフルーツには抗酸化物質も多く含まれており、若々しさを維持する秘訣とも考えられています。

収入は少なくても長生きできるコミュニティ

収入が多ければ多いほど、長生きしやすいとは言い切れないことを、ニコヤ半島の長寿者たちが体現しています。

ニコヤ半島に暮らす人々の平均所得は、同国では最も低く、決して豪華で裕福な暮らしをしているわけではありません。

実際、ブルーゾーンに数えられる地域の人々の収入は、とりわけ多いわけではなく、比較的低収入であることも珍しくないのです。

しかし、先ほどもご紹介したように、コスタリカの中でもニコヤ半島の平均寿命は高く、裕福だから長生きできるというわけではないことが分かります。

長生きできるコミュニティとは

ニコヤ半島の高齢者の多くは、家族と一緒に暮らしています。

もともと、信仰心や家族愛の強い国民性であり、家族や近隣の人と過ごす時間を最優先に考えるのが特徴です。

家族と離れ独りで暮らしたり、近隣住民と疎遠になったりして、孤独感を感じることはありません。

しかし、周囲に若い人がいるからといって、高齢者が身を引き受動的になるわけでもありません。

若い人たちは、高齢だからという理由で役割をすべて奪うこともなく、人生経験が長い人たちを敬い大切にします。

困った時は知識を求め、それに応じるといった関係性は、高齢者の生き甲斐にもつながる重要な要素です。

高齢になっても「プラン・デ・ビーダ」によって前向きに暮らし、周囲の人々に囲まれ大切にされることは、心の健康を高めることにもつながると考えられます。

ブルーゾーンに共通する家族や近隣との関係性

世界に5つ存在するブルーゾーン。これらの地域には、いくつかの共通点があるとされています。

その中の1つとして、家族や近隣との絆の強さがあります。

ブルーゾーンに暮らす人々は、まず家族を優先し、家族と一緒に過ごす時間を大切にする傾向があるようです。

パートナー、子ども、親、それぞれの立場で互いを思いやる文化によって、いつまでも大切にされ守りあっているという安心感が、心の健康をもたらすのかもしれません。

また、家族だけでなく、友人や会社、近隣など人とのつながりを大切にすることも、ブルーゾーンでの共通の文化と言えます。

家族で背負いきれない問題や課題を心置きなく相談できる相手や、1日の終わりにお互いを労い励まし合ったりする仲間がいることで、より心が豊かになるのではないでしょうか。

伝統的な考え方と暮らしを守ることで長寿を実現

コスタリカ・ニコヤ半島には、プラン・デ・ビーダの文化が根付いています。

高齢者も人生の目標・計画を胸に、毎日を前向きに暮らし、家族や周囲の若い人々は高齢者を大切に、いつまでも社会の一員として頼りにします。

便利なものに囲まれすぎるのではなく、自然の中で共存するように暮らすことや、昔ながらの生活習慣を続けること、加工品に頼りすぎることなく健康的な食事をすることなど、伝統的な暮らしを続けることがニコヤ半島の長寿を叶える秘訣と言えるでしょう。


谷口 順彦

特定非営利活動法人日本統合医学協会理事
総合学園JOTアカデミー理事長

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「人生100年時代」を生きる、支えるための生活習慣・介護・社会とのかかわり方など、健康面以外の知識も含め、総括的に学べます。

介護士などの福祉関係者や看護師などの医療従事者の方など、高齢者とのかかわりの多い方に多く受講されています。

合格者は非営利活動法人日本統合医学協会のセンテナリアンアドバイザー資格が認定されます。


学んですぐに実践できるセンテナリアンの食事の基本の軸を学び、日々の食事の見直すことで、①料理時間の短縮②栄養のバランスが取れる③食材・食費の無駄が減るといったことが目指せます。
また、季節ごとの具体的な献立もご紹介。学んですぐに実践いただけます。


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そして、自分だけでなく、家族や友人にも、正しい眠り方や快眠の習慣化についてアドバイスできるようになることを目指します。