日本は「世界の高齢化率ランキング」の1位をとるほど、高齢者人口が多いことが特徴です。
この記事では、日本に高齢者が多い理由と高齢者率が上昇し続けることで起きる問題点について解説します。
これからさらに加速する高齢化。私たちが高齢者に寄り添い、健康長寿を支えるために何ができるでしょうか。
そして自身も健康で長生きできるよう、今からできることを一緒に考えましょう。
日本で増え続ける高齢者。
私たちはこれから先どう高齢者に寄り添っていくべきなのでしょうか。
この記事ではそんな疑問にお答えします。
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「高齢者」とは何歳の人のことを言うのか

明治・大正・昭和などの日本では、何歳以上の人のことを「高齢者」と呼ぶのかについては、時代や地域によって異なっていました。
そのため、50代後半の人を高齢者と呼ぶ時代・地域もあれば、60代の人を高齢者と呼ぶ時代・地域もあったわけです。
しかし、現代の日本では、世界保健機関(WHO)によって「65歳以上の方を高齢者とする」と定義されています。
65歳以上の方が高齢者と定義されましたが、令和4年時点の日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳となっています。
平均寿命が長い日本では、高齢者を「前期高齢者」と「後期高齢者」の2つに分けて呼ぶようになりました。
前期高齢者
現代の日本では65歳以上の人を「高齢者」と呼んでいますが、その中でも65歳~74歳の人を「前期高齢者」と呼んでいます。
前期高齢者の方々は、国民健康保険に加入している方が多く、何らかの病気により、医療を必要としている方も多い傾向にあります。
そのため、現代の日本では、前期高齢者の方々を対象とした「前期高齢者医療制度」を設け、前期高齢者の医療費用の負担の軽減に努めています。
後期高齢者
75歳以上の方は「後期高齢者」と呼ばれ、前期高齢者と同様に、医療負担の軽減を図る「後期高齢者医療制度」が設けられています。
しかし、後期高齢者は前期高齢者の方と比べ、認知症や脳梗塞などの疾病により、介護保険制度を要する方が多い傾向にあります。
そのため、安全面を考慮し、普通自動車運転免許を保有している後期高齢者の方は、運転免許証の更新時に「運転技能検査」を受験することが義務付けられています。
日本はなぜ「高齢者」の人口が多いのか
日本は「世界の高齢化率ランキング」の1位をとるほど、高齢者人口が多いことが特徴です。
なぜ日本では、高齢者人口が増え、高齢化が進んでいるのでしょうか。ここからは、日本の高齢者が多い理由について3つご紹介します。
終戦直後のベビーブーム
日本では、終戦直後の1947年〜1949年にかけて、第一次ベビーブームが起こりました。
戦争によって失われた人口を取り戻すためにと、一時的に新生児の出生率が増えたのです。
しかし、その第一次ベビーブームの時代に生まれた方々は、現代では75歳以上の後期高齢者となり、高齢化の進行を助長してしまっているのです。
健康寿命・平均寿命の延伸
終戦直後の1947年、日本人の平均寿命は50代でした。
しかし、外国からの食物類の輸入により、食生活が豊かになった現代の日本では、男性が81歳・女性では87歳まで平均寿命が伸びています。
さらに、高齢でありながらも一切病気やケガがない健康的な高齢者も増えています。
健康上の問題がなく日常生活を送れる期間のことを日本では「健康寿命」と呼んでおり、平均寿命と同様に、健康寿命も伸び続けています。

出生率の低下
現代の日本では、高齢化だけでなく、少子化も進行し続けています。
令和4年の新生児出生数は、約79万人と過去最低数を記録しました。
年々新生児の出生率や若年世代の人口が低下していることから、高齢者の人口の多さがさらに際立ってしまっている状態となっています。
日本の高齢化の実態とは

「世界で最も高齢者人口が多い」と言われている日本ですが、日本の高齢者人口や、総人口に占める高齢者人口の割合は、具体的にどのくらいでしょうか。
ここからは、日本の高齢化の実態についてご紹介します。
高齢者人口と高齢化率
令和5年9月15日時点の高齢者人口は、約3623万人です。
前年の約3624万人に比べると、約1万人減少しており、1950年以降初めての減少となりました。
しかし、その一方で、総人口に占める高齢者人口の割合は29.1%と、過去最高を記録しています。
日本の高齢者人口の割合は、世界200ヶ国のうち、世界最高と言われています。
要支援・要介護高齢者の人数
第一号被保険者として該当する65歳以上の高齢者の人数は、令和4年5月時点で約3590万人です。
そのうち、要支援・要介護の認定を受けている方の人数は691.4万人で、そのうち男性が219.5万人、女性が472万人です。
男性よりも女性の方が、要支援・要介護の認定を受け、介護を必要としている方が多い傾向にあります。
日本の高齢化により起こる問題
日本の高齢化人口が増える一方で、若年人口が減り続けることにより、今後さまざまな問題が起こることが想定できます。
ここからは、日本の少子高齢化により起こる可能性がある問題を3つご紹介します。
介護人材の不足問題
日本では高齢化とともに、少子化も進行し続けています。
少子高齢化が進行することで、社会全体の労働人口が減少することに加え、介護を必要とする高齢者を支える介護人材も不足します。
そのため、現在の日本では急増する要介護高齢者の人数に対して、介護人材の人数が足りていないのです。

独居高齢者の増加
近年の日本では、子供や孫がいない高齢夫婦のみの世帯が増えてきています。
そのため、配偶者を亡くした後、1人で暮らす高齢者が増えているのです。
急な心臓発作や脳梗塞などを起こしても気づく人がおらず、孤独死してしまう可能性が高いことから、社会的な問題として捉えられています。
介護難民の増加
近年の日本では、新生児の出生数が低下している一方で、医療技術の向上により、高齢者の平均寿命が伸び続けている状況です。
そのため、介護を必要とする高齢者が増加しても、介護に対応できる家族介護者や介護職の数が不足し、必要な介護を受けられない「介護難民」が増加しているのです。
日本の高齢化への対応
日本では、年々進行していく少子高齢化に対する対策を検討しています。
特に、平成30年2月16日に閣議決定された「高齢社会対策大綱」では、以下のような考えが公表されました。
- 高齢者の体力的年齢は若くなっている傾向にある
- 就業や地域活動などの社会との関わりを持つことに対しての意欲が高い高齢者が多い
- 65歳以上の人を一概に「高齢者」と見るのではなく、個人個人の意欲や能力を発揮できる社会環境を整えることを目指す
日本では、すべての人が安心して高齢期を迎えられるような社会を作るという観点から、「十全な支援やセーフティーネット」の整備を図っています。
また、高齢化によって起こり得る可能性のある課題・問題については、高齢者世代のみならず、すべての世代を含めた統合的な解決策の考案が必要です。
ここからは、日本が行っている少子高齢化社会への対応について3つご紹介します。
高齢者が活躍できる社会づくり
高齢だからといって「働かずに家にいる」ということを勧めるのではなく、すべての年代の人々が自分自身の能力を活かして活躍できる社会を目指しています。
すべての年代の人々が活躍できる社会のことを、「エイジレス社会」と呼びます。
年齢区分やライフステージに応じた働き方改革や、誰もが安心できる「全世代対応型の社会保障」も見据えた社会づくりが重要です。
地域コミュニティの推進
地域コミュニティの推進を行うことで、独居高齢者の安否確認をしたり、地域社会との交流の場を設けたりすることができます。
高齢者だけでなく、すべての世代の人々の社会的孤立を防ぎ、特に高齢者が安全かつ安心して暮らせるコミュニティづくりを目指しています。
技術の進歩による少子化対策
技術の進歩により、少子化による「働き手不足」や「介護人材の不足」の解消を目指します。
特に、介護現場では介護ロボットの導入を推進することで、介護現場の人手不足の解消につながります。
最新のテクノロジー技術を導入することで、少子化による人材不足の悩みが解消できるのです。
健康長寿・センテナリアンを目指すために
食事、睡眠、ストレスケア、運動など、総合的に健康的な生活を送ることで、病を予防することが可能です。
各方面により踏み込んだ知識を手に入れることで、それが実現できます。
今後の日本は少子高齢化が加速すると予測されています。高齢者を支えるため、また、自身も健康的に長生きできるよう体系的に学べる講座受講などもお勧めします。
監修者

谷口 順彦
特定非営利活動法人日本統合医学協会理事
総合学園JOTアカデミー理事長
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