発酵食は日本の伝統的な食文化であり、微生物の働きによって食材の栄養価を高めるものです。
納豆やヨーグルト、チーズなど、日常的に親しまれているこれらの食品は、腸内環境の改善や免疫力の向上など、健康に多くのメリットをもたらします。
発酵食は日本だけでなく世界中に存在しますが、日本では特にこの文化が深く根付いており、最近では健康志向の高まりとともにさらに注目されています。
この記事ではそんな発酵食について詳しく解説します。
皆さまは発酵食と聞きどんな印象を持つでしょうか。
もしかしたら難しいと思う方もおられるかもしれません。
ですが、実は日本では古くから親しまれており腸内環境の改善や免疫力の向上など、健康に多くのメリットをもたらします。
この記事で発酵食について知り、普段の食生活に取り込んでみませんか?
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発酵食品の基礎知識から甘酒、ぬか床、納豆、麹を使った調味料など、それぞれの発酵食品の特性や作り方、健康効果を学びます。
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発酵食とは

発酵食は、日本に古くから伝わる伝統的な食文化です。
発酵させることにより、微生物の働きで食材の持つ栄養素を高めることができます。
多くの方が馴染み深い納豆、ヨーグルト、チーズなどは全て発酵食です。
世界にはその他にもたくさんの発酵食が存在しますが、日本は世界的に見ても発酵食を食べる文化が根付いています。
普段何となく食べている発酵食が、腸内環境の改善、免疫力向上などといった「健康維持」のために重要な役割を果たしています。
古くから発酵食は普及してきましたが、新型コロナウイルスの発生などにより、一層関心を持つ人が増えてきました。
発酵食には3種類の微生物が使用されており、「カビ」「酵母」「細菌」が発酵食では使われています。
日本では「麴菌」を使った発酵食が多く存在し、発酵食文化を根付かせるきっかけにもなった菌です。
このように、普段何気なく食べている発酵食は伝統的な食文化であり、無くてはならないものなのです。
発酵食の機能
発酵食が持つ5つの機能について紹介していきます。
1.腸内環境改善
発酵食は、腸内環境改善に効果的です。
人間の腸の中にはたくさんの菌が存在し、これらの菌を大きく分けると、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分けられます。
善玉菌は腸内の有害物質を外に出すなどの、体に良い働きをする菌です。
悪玉菌は、増えすぎると下痢や便秘、肌荒れを起こします。
日和見菌は善玉菌、悪玉菌以外の菌です。
発酵食を食べることにより、酵母や乳酸菌などが善玉菌を増やしてくれるのでその結果、便秘、下痢、肌荒れなどを改善することができるのです。
2.悪玉コレステロールの除去
コレステロールとは、血液中に存在する脂質のことです。
コレステロールが材料となって細胞膜、ホルモンなどが生成されるため、体には必要な物質になります。
通常、体内のコレステロール値は適度にバランスが保たれていますが、運動不足や偏った食生活などの影響でコレステロール値は高くなります。
その背景には、悪玉コレステロールの増殖が関係しているのです。
悪玉コレステロールは、体内のコレステロールを全身に運ぶ働きがあるため、血管が詰まる原因にもなります。
発酵食を食べることによって、この悪玉コレステロールの増殖を防ぐことができます。
3.抗酸化機能
発酵食を食べることで、老化や動脈硬化などの原因にもなる「活性酸素」の増殖を防ぐことができます。
この活性酸素の増殖を防ぐ機能を「抗酸化作用」といい、健康的な体を作るうえでとても大切な機能です。
活性酸素とは体内の酸素が活性化したもので、通常誰の体内にも存在します。
しかし、人間は常に呼吸をして酸素を取り込んでいるため、活性酸素は減りにくいのです。
そのため、抗酸化作用を持った発酵食を食べることで、体内の活性酸素の増殖を防ぐことができます。
4.抗ストレス作用
発酵食には、GABAと言われる成分が含まれています。
GABAは、ストレス軽減やリラックス効果があるため、ストレス社会で生活する現代人から注目されている成分です。
GABAは抑制性の神経伝達物質として体内で機能しています。
GABAが不足した状態でストレスを感じると、興奮性の神経伝達物質が過剰になってしまい、イライラや不眠などの症状が出ます。
GABAは納豆やキムチなどに豊富に含まれており、定期的に摂取することで抗ストレス作用が期待できるためおすすめです。
5.免疫力向上
発酵食を食べることで、免疫力を向上させることができます。
発酵食は腸内環境を整える効果があるので、善玉菌を増殖させる効果があるからです。
菌やウイルスなどから人体を守る「免疫細胞」は腸内に多く存在しています。
そのため、腸内環境が整っていると免疫力も高まります。
善玉菌の増殖は、免疫細胞の働きを活性化させてくれるため、免疫力の向上が期待できるのです。
発酵食と関わりが深い微生物

発酵食と関わりが深い微生物は以下の3つです。
カビ
カビは、発酵食を作るうえで深い関わりがあります。
「カビ」と一言で聞くと、あまり良いイメージを持たないかもしれませんが、日本ではカビ類を使った発酵食がたくさんあります。
発酵食に利用されるカビの中でも有名なのは、麹カビ、アオカビなどです。
これらは食品に混ぜて発酵させることで、独特の風味や甘みを引き出すのが特徴です。
甘酒やチーズがカビを使った代表的な発酵食になります。
どちらも風味や香りが独特で、ほんのり甘みがある食品です。
2024年、紅麹のサプリメントによる健康被害が話題になりました。
紅麹とは、米などの穀類を麹カビの一種である紅麹菌で発酵させたもののことを言います。
綺麗な赤色をしており、そのことから紅麹という名前が付けられたといわれています。
この赤色は天然の着色料としても使われています。
紅麹には悪玉コレステロールを抑える効果があり、健康維持に役立つとして古くから利用されていました。
当該健康被害の原因として浮上しているのが、青カビから発生することがある「プベルル酸」という物質。ですが、腎臓に対する影響や製品中に含まれた経路などは明らかになっていません。(2024年5月28日現在)
参照:
酵母菌
酵母菌は、主にパンやビール、ワインなどによく使われます。
酵母菌で有名なのが「イースト菌」です。
イースト菌はパンに使われており、小麦粉と混ぜて発酵させることでふっくらと膨らみます。
酵母は糖分と酸素がたくさんあると増殖しやすく、糖分をエネルギーとしてアルコールと炭酸ガスを生成します。
発酵の際に発生する炭酸ガスでパンがふっくら膨らみ、アルコールが発生するためお酒などの原料にも使われるのです。
細菌
細菌の特徴は、細胞分裂をしながら増殖するということです。
乳酸菌や納豆菌は細菌類の中でも広く知られています。
腸内環境を整え、健康維持に役立っている菌です。
納豆菌は非常に繁殖力が強いのが特徴で、条件がそろえば1つの菌が15時間後には10億倍にも増殖します。
3つの菌の中では一番小さい菌ですが、条件によって急繁殖するのが特徴です。
発酵と腐敗の違いとは
発酵と腐敗の明確な違いは、人間に害があるかどうかです。
人間に有害であれば、それは腐敗になります。
食べたらお腹が痛くなった場合、人間にとって有害なので腐敗です。
逆に、食べたら便秘が改善された場合、それは人間にとって無害であるため発酵になります。
このように、発酵と腐敗の明確な違いは人体に害があるかどうかです。
主観的な見方も影響はしますが、人間が食べて腹痛などの影響が無ければ腐敗ではなく発酵ととらえていいでしょう。
発酵食のメリット

発酵食のメリットは、大きく分けて2つです。
1つは、長期間での保存がしやすくなります。
発酵させることで、腐敗の原因にもなる微生物が繁殖しにくくなります。
発酵させることで有機酸や脂肪酸を発生させるため、食品が酸性になるのです。
腐敗の原因となる菌類は、酸性の環境下だと繁殖しにくくなります。
そのため「酢」を使った食品は酸性度が強いため腐りにくいという特徴があります。
2つ目は、栄養価が上がり体に良い働きをするということです。
発酵食を食べることで腸内環境を良くしたり、発酵させることで食品本来の栄養価が上がります。
発酵食を食べることで、免疫機能を向上させ便秘や腸内環境が改善されます。
また、発酵の途中でタンパク質や糖質が変化し、本来食品の持っている栄養に更にプラスされるため栄養価が高くなるのです。
発酵食のデメリット

では逆に、発酵食を食べることによるデメリットを紹介します。
まず1つ目は、食中毒になる可能性があるということです。
発酵食は、代表的な3つの菌(カビ、酵母菌、細菌)を食品に加えることで発酵させます。
菌類を意図的に食品に加えることで発酵するわけですが、時間が経てば腐敗の原因になる菌も繁殖します。
そのため、腐敗に強い発酵食ですが、食中毒にかかるリスクもあるのです。
2つ目は、腸内環境のバランスが崩れることで、腹痛や下痢の症状が出ることがあります。
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つが存在していますが、これらはバランス良く共存しており、健康体を維持しています。
発酵食は善玉菌を増やす効果がありますが、善玉菌が増えすぎると腸内環境が活発になり過ぎてしまい、バランスが崩れて逆に体調不良を引き起こす可能性があるため注意しましょう。
食事に発酵食を取り入れ健康な生活を
発酵食は、腸内環境の改善や免疫力の向上、抗酸化作用、抗ストレス作用など、健康に多くのメリットがあります。
保存性も高く、栄養価が豊富であるため、現代の食生活にも取り入れやすくなっています。
一方で、食中毒や腸内環境のバランスが崩れることには注意が必要です。
発酵食を日々の食事に上手に取り入れることで、より健康的な生活を目指しましょう。
監修者

谷口 順彦
特定非営利活動法人日本統合医学協会理事
総合学園JOTアカデミー理事長
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