ピラティスはどのような起源・歴史を通じて、現在まで多くの人々に親しまれてきたのでしょうか。
この記事では、ピラティスの起源と、ピラティスが多くの人の注目を集めるようになるまでの歴史についてご紹介します。
ピラティスとは「ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス氏」によって考案されたエクササイズです。
この記事ではそんなピラティスがどのように世の中に広まっていったかについて解説しています。
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ピラティス指導者としての技術に加え、基礎医学や心理学、アロマセラピーに関する知識も学べる充実の内容です。体の解剖学的知識を活かして、正確な指導ができるスキルを習得。心理学を通じてコミュニケーション力も養い、幅広い場で活躍できるインストラクターを目指します。
卒業後はピラティススタジオや介護施設など、健康と運動を支援する多様な分野での活躍が期待されます。
骨粗鬆症やフレイル(加齢に伴う身体機能の衰え)を予防するための37種類のピラティスエクササイズを習得します。講座は、様々な年代や身体リスクを想定したケーススタディを取り入れており、運動学、栄養学、口腔ケアといった幅広い知識も学ぶことができます。また、女性の健康課題に対応するフェムケアの視点から、安全で効果的なインストラクションが可能になります。
「人生100年時代」を生きる、支えるための生活習慣・介護・社会とのかかわり方など、健康面以外の知識も含め、総括的に学べます。介護士などの福祉関係者や看護師などの医療従事者の方など、高齢者とのかかわりの多い方に多く受講されています。
合格者は非営利活動法人日本統合医学協会のセンテナリアンアドバイザー資格が認定されます。
ピラティスとは

そもそもピラティスとは、「ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス氏」によって考案されたエクササイズのことです。
考案者であるピラティス氏は、自分自身がさまざまな持病を持っていました。
そんな持病を克服するために考えられたエクササイズがピラティスであると言われています。
ピラティスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ピラティスの起源

ピラティスの考案者は、「ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティス氏」です。
彼は1880年(1883年生まれという文献もある)にドイツの街で生まれました。
ピラティス氏は、幼少期からリウマチ熱・くる病・喘息などの病に苦しみ、非常に病弱だったそうです。
ピラティス氏はこれらの病と戦うために、さまざまなスポーツに取り組んだと言われています。
体操やボクシング、ヨガ、スキー、ダイビングなどに熱心に取り組みました。
そのため、ピラティス氏は14歳になる頃には洗練された健康的な体系になったと言われています。
ピラティス指導のはじまり
1912年ピラティス氏はイギリスへ向かいます。
目的としてはボクシングを追求するためや、サーカス団の一員として弟と一緒に向かったと言われています。
しかし、1914年に発生した第一次世界大戦により、ピラティス氏は敵国の人として、イギリスのマン島に拘留されてしまいました。
拘留後も、ピラティス氏は野良猫の動きや伸びを観察し、他の拘留者たちと一緒にエクササイズを行っていたと言われています。
さらに、ピラティス氏はマン島で看護師(正式な看護師資格は持っていなかったが)として働くようになり、負傷した患者や寝たきりの患者をたくさん目にしたことで、身体機能の強化を目指すようになりました。
全身の機能を改善するエクササイズを行うために、病院のベッドを改造し、ピラティス専用マシンの原型となる機器を作りました。
ピラティスのさらなる普及
1926年、拘留から解放されたピラティス氏はニューヨークに移り、航海中に妻となる看護師のクララ・ゼウナーと出会いました。
30代後半になったピラティス氏は、妻と共にニューヨークシティバレエ団が入っているビルに、ピラティスのスタジオをオープンしました。
スタジオのオープン後すぐ、バレエ団に噂が広まりました。
バレエスタジオの指導者がケガを負ったバレリーナをピラティス氏のスタジオに送り込むようになったと言われています。
ピラティス氏は、送り込まれてきたバレリーナを指導し身体機能の改善を行いました。
ピラティス氏の指導が広まったことで、バレリーナだけでなくダンサーや音楽家といった芸術家、アスリート、サーカス芸人、体操選手などの身体をよく使う人だけでなく、医師や学生、ビジネスマンなど、さまざまな人がスタジオを訪れるようになりました。
ピラティス氏直々の教え子(第一世代の指導者)にはセッションを受けるための費用として、スタジオで働く者もいました。
また、アシスタントの中には、ジョセフの姪であるメアリー・ピラティスもいました。
後世への引き継ぎとトラブル
1934年、ピラティス氏は初めて「ユア・ヘルス(Your Health)」という著書を出版します。この本ではピラティス氏のメソッドについて書かれています。
また、1945年にもピラティス氏は「リターン・トゥ・ライフ・スルー・コントロロジー(Return to Life Through Contrology)」という著書を出版しています。
この本はピラティス氏が自らの写真を掲載し、エクササイズの解説をしたものとなっています。
この2冊は「Contrologyピラティス・メソッドの原点: Your health + return to life」というタイトルで日本語へと翻訳された書籍が販売されています。
1950年代、彼の提唱したメソッドは医療界の高い障壁を前にし、その主流とはなりませんでした。
しかしながら、ニューヨーク大学、舞台芸術学校、アポロシアターなど多くの機関に取り入れられていきました。
1967年にピラティス氏は息を引き取りました。
ピラティス氏は亡くなるまでずっと、熱心に研究を続けながらも、患者への指導を続けていたそうです。
ピラティス氏の死後は、妻のクララと弟子のロマーナ・クリザノウスカがピラティスを引き継ぎ、運営を続けていきました。
他にも、ピラティス氏から直接指導を受けたピラティス指導者(第一世代)だった人たちが、第二世代のピラティス指導者を育てていったのです。
しかし、1995年、ピラティスのインストラクターをしていた「ショーン・ギャラガー氏」が「ピラティス」を勝手に商標登録してしまうという事態が起こりました。
そのため、「ピラティス」という用語の使用が制限され、1996年にこの商標登録の正当性を問う集団訴訟が起こったのです。
この訴訟は4年間の長い法廷論争を経て、ようやく2000年に商標権無効の判決が下されました。
この判決により「ピラティス」が名称として認められるようになるとともに、さらにピラティスの知名度が高まっていきました。
「ピラティス団体」が世界各国に広がる

現在、世界各国にピラティスの指導を行う団体が存在しています。
以下では、世界各国に存在するピラティス団体の一例をご紹介します。
南カリフォルニアのニューポートビーチに本部を構える、1989年に設立された団体。
カナダのトロントに拠点を置く。
1988年にダンサーだったモイラ・メリスーが設立
・POLESTAR PILATES(ポールスター ピラティス)
理学療法士のブレント・アンダーソンとフェルデンクライス実践者のエリザベス・ラーカムが設立。
マイアミに拠点を置き、臨床治療とピラティスを融合させたリハビリを行っている。
ピラティス氏が考案したピラティスマシンを改新した、最先端の工学技術を持つ会社の経営者ケン・エンデルマンが設立。
サンフランシスコに拠点を置き、近代的なピラティスを行っている。
2000年に設立された団体。統合医療の視点からピラティスを捉えた「メディカルピラティス」の普及に努めている。


ピラティスの技術だけでなく、基礎医学や心理学・ハーブまで知識を広げて学びます。体の動きに対してどの骨や筋肉が使われているのかといった機能解剖学の知識は、ピラティスの動きの理解につながり、 より的確で正しい指導が行えるようになります。
ピラティスの歴史とこれから
ピラティスは1883年にドイツでピラティス氏によって考案されました。
ピラティス氏の指導は地域で評判となり、書籍や次の世代の指導者のおかげで徐々に広まっていきました。
そんなピラティスですが、世界的に有名になった理由は皮肉にも訴訟が原因だったのです。
ピラティスに取り組んでいる方でも訴訟騒動があったことを知っている人は少ないのではないでしょうか?
思わぬ形で世界的に有名になったピラティスですが、今では世界各地にピラティスの団体が設立され、たくさんの方がピラティスに取り組んでいます。
今後もピラティスは世界各地で指導が行われ取り組む人口が増えていくのではないでしょうか。
監修者

谷口 順彦
特定非営利活動法人日本統合医学協会理事
総合学園JOTアカデミー理事長
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ピラティス指導者としての技術に加え、基礎医学や心理学、アロマセラピーに関する知識も学べる充実の内容です。体の解剖学的知識を活かして、正確な指導ができるスキルを習得。心理学を通じてコミュニケーション力も養い、幅広い場で活躍できるインストラクターを目指します。
卒業後はピラティススタジオや介護施設など、健康と運動を支援する多様な分野での活躍が期待されます。
骨粗鬆症やフレイル(加齢に伴う身体機能の衰え)を予防するための37種類のピラティスエクササイズを習得します。講座は、様々な年代や身体リスクを想定したケーススタディを取り入れており、運動学、栄養学、口腔ケアといった幅広い知識も学ぶことができます。また、女性の健康課題に対応するフェムケアの視点から、安全で効果的なインストラクションが可能になります。
「人生100年時代」を生きる、支えるための生活習慣・介護・社会とのかかわり方など、健康面以外の知識も含め、総括的に学べます。介護士などの福祉関係者や看護師などの医療従事者の方など、高齢者とのかかわりの多い方に多く受講されています。
合格者は非営利活動法人日本統合医学協会のセンテナリアンアドバイザー資格が認定されます。