「最近、健康のために食生活を見直したい」
「年齢を重ねても元気に過ごしたい」
そう考えている方に知っていただきたいのが、食事と「慢性炎症」の関係です。
炎症というと、ケガをした部分が赤く腫れたり、風邪をひいたときに喉が痛くなったりする状態を思い浮かべるかもしれません。
このような一時的な炎症は、体を守るために必要な反応です。
一方、体の中で弱い炎症反応が長く続く「慢性炎症」は、健康を考えるうえで注意したい状態です。
慢性炎症には加齢や肥満、運動不足、睡眠不足などさまざまな要因が関係しますが、毎日の食生活も無関係ではありません。
ただし、「この食品を食べれば炎症がなくなる」という特別な食べ物があるわけではありません。
大切なのは、野菜や魚、豆類などを取り入れながら、さまざまな食品をバランスよく食べることです。
今回は、慢性炎症を防ぐ食生活という視点から、毎日の食卓に取り入れたい食べ物や食べ方について、わかりやすく解説します。
「慢性炎症」を防ぐために、毎日の食事でどのようなことを意識すればよいのか、一緒に見ていきましょう。
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炎症を抑えるために意識したい食生活とは?

一つの食品より「食事全体」で考える
「炎症を抑える食べ物」と聞くと、特定の野菜や魚などをたくさん食べればよいと思ってしまいがちです。
しかし、健康づくりでは一つの食品だけに頼るのではなく、普段の食事全体を整えることが重要です。
たとえば、野菜を食べていても、それ以外の食事が菓子類や加工食品などに偏っていれば、バランスのよい食生活とはいえません。
反対に、野菜、果物、魚、大豆製品、海藻、きのこ、穀類など、さまざまな食品を日常的に組み合わせることで、食物繊維やビタミン、ミネラルなど幅広い栄養素を摂取できます。
「何を一つ食べるか」ではなく、「普段どのようなものを食べているか」という視点を持ちましょう。
慢性炎症を意識するなら取り入れたい食べ物

野菜
健康的な食生活の基本として、まず積極的に取り入れたいのが野菜です。
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維のほか、ポリフェノールやカロテノイドなど、植物に含まれるさまざまな成分があります。
特定の野菜だけに偏る必要はありません。
緑黄色野菜をはじめ、旬の野菜などを組み合わせ、できるだけ種類を増やすことを意識してみましょう。
毎食野菜を用意するのが難しい場合は、具だくさんの汁物にするのも一つの方法です。
キャベツ、にんじん、玉ねぎ、きのこなど複数の食材を一度に取り入れやすくなります。
果物
果物も、健康的な食生活に取り入れたい食品です。
果物にはビタミンや食物繊維、ポリフェノールなどが含まれています。
りんご、みかん、キウイ、いちご、ぶどうなど、季節に合わせて選ぶと無理なく続けやすいでしょう。
ただし、健康によいからといって大量に食べる必要はありません。
また、ジュースではなく、できるだけ果物そのものを食べることもポイントです。
青魚をはじめとした魚類
魚は、たんぱく質を摂取できるだけでなく、種類によってはEPAやDHAなどのn-3系脂肪酸を含んでいます。
特にサバ、イワシ、サンマなどの青魚は、EPAやDHAを摂取しやすい食品として知られています。
毎日魚料理を作るのが難しい場合には、焼き魚や刺身だけでなく、サバ缶などを上手に利用する方法もあります。
缶詰なら長期保存しやすく、サラダや汁物などにも加えられるため、忙しい方でも取り入れやすいでしょう。
大豆・大豆製品
豆類も健康的な食事を考えるうえで役立つ食品です。
日本の食生活では、豆腐、納豆、味噌などの大豆製品が身近にあります。
大豆製品からは植物性たんぱく質を摂取でき、料理にも取り入れやすいことが特徴です。
朝食に納豆を加える、肉料理が続いたら豆腐を使った料理にするなど、特別な献立を考えなくても日常の食事に取り入れることができます。
海藻やきのこ類
わかめ、ひじき、昆布などの海藻や、しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類も、食物繊維を摂取できる食品です。
食物繊維は腸内環境とも深く関係しています。
腸には多くの腸内細菌が存在しており、食生活は腸内環境を左右する要素の一つです。
野菜だけで食物繊維を摂ろうとせず、海藻やきのこ、豆類などさまざまな食品から取り入れると、食事のバリエーションも広がります。
全粒穀物など精製度の低い穀類
主食の選び方にも工夫ができます。
玄米や雑穀、全粒粉を使用した食品など、精製度の低い穀類には食物繊維などが含まれています。
毎日の白米をすべて玄米に変える必要はありません。
白米に雑穀を加える、時々玄米を取り入れるなど、続けやすい方法から試してみるとよいでしょう。
ナッツ類
アーモンドやくるみなどのナッツ類には、不飽和脂肪酸や食物繊維などが含まれています。
お菓子の代わりに少量のナッツを取り入れるのも一つの選択肢です。
ただし、ナッツはエネルギー量が高いため、「体によいから」と食べ過ぎないことが大切です。
味付けされたものは塩分などが多くなることもあるため、選び方にも注意しましょう。
食品に含まれる注目したい成分

炎症と食事について考えるとき、食品名だけでなく、そこに含まれる成分にも目を向けると理解しやすくなります。
| 成分 | 主に含まれる食品 |
| 食物繊維 | 野菜、豆類、海藻、きのこ、穀類、果物 |
| n-3系脂肪酸 | 青魚、くるみなど |
| ポリフェノール | 野菜、果物、豆類など |
| カロテノイド | 緑黄色野菜など |
| ビタミン・ミネラル | 野菜、果物、魚介類など |
大切なのは、これらの成分をサプリメントだけに頼るのではなく、さまざまな食品を組み合わせた食事から摂取することです。
多様な食品を食べることは、特定の栄養素への偏りを防ぐことにもつながります。
慢性炎症を意識するなら控えたい食生活

糖分の多い食品・飲料を摂りすぎない
甘いお菓子や清涼飲料水などは、楽しみとして適量を取り入れる分には問題ありません。
注意したいのは、それらが毎日の習慣となり、摂取量が多くなっている場合です。
特に飲み物は意識しないまま糖分を多く摂取してしまうことがあります。
普段の水分補給は水やお茶を基本にし、甘い飲料は量や頻度を考えることが大切です。
加工度の高い食品ばかりに偏らない
忙しい日には、加工食品や市販の総菜などが便利です。
すべてを避ける必要はありません。
ただし、それだけで食事を済ませる日が続くと、野菜や食物繊維などが不足したり、塩分や脂質を摂りすぎたりする可能性があります。
市販のお弁当にサラダを追加する、インスタント食品に野菜や卵を加えるなど、少し補うだけでも食事内容を整えやすくなります。
「食べ過ぎ」が続かないようにする
食品の種類だけでなく、食べる量も重要です。
必要以上のエネルギー摂取が長期間続き、肥満につながることは、慢性炎症を考えるうえでも注意したいポイントです。
極端な食事制限をするのではなく、「お腹いっぱいになるまで毎回食べる」「間食が習慣になっている」といった状態を見直してみましょう。
炎症を意識した食事は難しくない

いつもの和食にも取り入れやすい
「炎症を抑える食生活」と聞くと、特別な食材を購入したり、毎日複雑な料理を作ったりする必要があるように感じるかもしれません。
しかし、日本で昔から食べられている身近な食品にも、健康的な食生活に役立つものはたくさんあります。
たとえば、
「ご飯+焼き魚+野菜ときのこの副菜+豆腐とわかめの味噌汁」
という献立であれば、魚、大豆、野菜、きのこ、海藻などを一度の食事に取り入れられます。
特別な「抗炎症食品」を探すよりも、普段の食卓にある食品の組み合わせを工夫することから始めてみましょう。
一食ではなく長い目で考える
健康的な食生活は、一日だけ実践すればよいものではありません。
反対に、一度ケーキや揚げ物を食べたからといって、それだけで健康状態が決まるわけでもありません。
大切なのは、日々の積み重ねです。
野菜が少なかった翌日は少し多めに取り入れる、肉料理が続いたら魚や大豆製品を選ぶなど、数日単位でバランスを整える考え方でも構いません。
完璧を求めすぎず、長く続けられる食生活を目指しましょう。
健康長寿のために「食べ方」にも目を向ける

食事は毎日続く生活習慣
健康長寿を考えるうえで、食事の大きな特徴は「ほぼ毎日繰り返す習慣」であることです。
一度の食事による変化は小さくても、それが数年、数十年と積み重なっていきます。
そのため、健康によいとされる特定の食品を短期間だけ大量に食べるよりも、無理なく続けられる食事を習慣にすることが重要です。
「野菜料理を一品増やす」
「週のうち何回かは魚を食べる」
「間食を果物やナッツに置き換える」
このような小さな工夫でも、長く続ければ食生活全体を見直すきっかけになります。
センテナリアンから考える長寿と食事
100歳以上の長寿者である「センテナリアン」は、健康長寿について考えるうえで重要な存在です。
もちろん、「これを食べれば100歳まで生きられる」という食品はありません。
寿命や健康状態には、遺伝的な要因だけでなく、運動、睡眠、社会とのつながり、生活環境など多くの要素が関係しています。
食生活もその一つです。
健康長寿を目指すうえでは、特定の食品に頼るのではなく、野菜、果物、豆類、魚、穀類など多様な食品を取り入れながら、食べ過ぎを避けるという基本的な習慣が大切になります。
毎日の食事を整えることは、将来の健康のために自分自身で取り組める身近な方法の一つといえるでしょう。
まとめ

慢性炎症を防ぐ食生活を考えるとき、大切なのは「炎症を抑える特別な食べ物」を探すことではありません。
野菜や果物、魚、豆類、海藻、きのこ、穀類など、さまざまな食品をバランスよく食べること。
そして、糖分の多い食品や加工度の高い食品などに偏らず、食べ過ぎにも気をつけることが基本です。
食生活は毎日続いていくものだからこそ、極端な方法では長続きしません。
まずは「今日の食事に野菜を一品増やす」「肉だけでなく魚も選ぶ」といった、無理なくできることから始めてみてはいかがでしょうか。
慢性炎症を意識した食生活は、炎症だけを目的とした特別な食事ではなく、健康的な体を維持するための食事でもあります。
センテナリアンのように長く健やかに暮らす「健康長寿」を考えるうえでも、日々の食事を整え、それを長く続けていくという視点を大切にしていきましょう。
監修者

谷口 順彦
特定非営利活動法人日本統合医学協会理事
総合学園JOTアカデミー理事長
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学んですぐに実践できるセンテナリアンの食事の基本の軸を学び、日々の食事の見直すことで、①料理時間の短縮②栄養のバランスが取れる③食材・食費の無駄が減るといったことが目指せます。
また、季節ごとの具体的な献立もご紹介。学んですぐに実践いただけます。
発酵食品の基礎知識から甘酒、ぬか床、納豆、麹を使った調味料など、それぞれの発酵食品の特性や作り方、健康効果を学びます。さらに、ご家庭で実践できる発酵食品を使ったレシピも紹介されており、日常生活にすぐに取り入れることができます。
東洋医学に基づき、自身の体質や健康状態を把握する方法を学び、季節ごとに適した食材を使ったレシピを紹介します。無理なく続けられる「ちょこっとおかず」レシピも充実しており、毎日の食事に薬膳を自然に取り入れることが可能です。この講座を通じて、家族や自分の健康をサポートし、予防医学としての薬膳の力を身につけてみませんか?



