「最近、階段を上ると以前より疲れるようになった」
「立ち上がるときに、つい手をついてしまう」
「運動したほうがいいと思っているけれど、なかなか始められない」
年齢を重ねるにつれて、このような体の変化を感じる方もいるのではないでしょうか。
健康について考えると、食事や睡眠、体重などに目が向きやすいものですが、忘れてはいけないのが「筋肉」です。
筋肉は、歩く、立つ、物を持つ、姿勢を保つなど、私たちが毎日の生活を送るために欠かせません。若い頃にはあまり意識することがなくても、年齢を重ねるほど、その大切さを実感する場面が増えてきます。
100歳以上の長寿者である「センテナリアン」が注目される現代では、単に長く生きることだけでなく、できるだけ自立した生活を続けられる「健康長寿」について考えることも大切です。
今回は、加齢と筋肉の関係をはじめ、筋肉の役割や日常生活で取り入れたい筋力づくりについて、初めての方にも分かりやすく紹介します。
筋肉は、これからも元気に動き続けるために大切な存在です。
健康長寿との関わりも含め、筋肉の役割や日々の筋力づくりについて一緒に見ていきましょう。
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そもそも筋肉にはどんな役割がある?

体を動かすだけが筋肉の仕事ではない
「筋肉」と聞くと、スポーツ選手やトレーニングをしている人を思い浮かべるかもしれません。
しかし、筋肉は特別な運動をする人だけに重要なものではありません。
朝、布団から起き上がる。
椅子から立つ。
歩いて買い物に行く。
荷物を持つ。
階段を上る。
こうした何気ない動作にも筋肉が使われています。
さらに、筋肉には姿勢を保ったり、関節を動かしたりする役割もあります。
私たちが日常生活を送るための土台を支えているのが筋肉なのです。
特に意識したい下半身の筋肉
健康長寿を考えるうえで、特に意識しておきたいのが脚やお尻などの下半身です。
下半身の筋肉は、歩く、立ち上がる、階段を上るといった動作に使われます。
若い頃には何気なくできていた動作でも、筋力が低下すると負担に感じることがあります。
「外出するのがおっくうになった」
「階段よりエレベーターを選ぶようになった」
こうした変化によって体を動かす機会そのものが少なくなると、さらに活動量が減ってしまうこともあります。
そのため、日頃から下半身を使うことを意識しておくことが大切です。
年齢を重ねるとなぜ筋力が気になるの?

加齢だけではなく生活習慣も関係する
年齢を重ねると、筋肉量や筋力は低下しやすくなります。
ただし、筋肉の変化を「年齢のせいだから仕方がない」と考えてしまうのは早計です。
日常生活で体を動かす機会が少なくなれば、筋肉を使う機会も減っていきます。
たとえば、車での移動が増える、階段を使わなくなる、休日も座って過ごす時間が長くなるなど、生活が便利になるほど体を動かす機会が少なくなることがあります。
年齢だけを見るのではなく、「普段どのくらい体を動かしているか」に目を向けることも大切です。
サルコペニアという言葉
高齢期の筋肉について知る際に、「サルコペニア」という言葉を目にすることがあります。
サルコペニアとは、加齢などに伴う筋肉量の減少に加え、筋力や身体機能が低下した状態を指します。
筋力や身体機能が低下すると、これまで普通にできていた日常動作が難しくなることがあります。
だからこそ、高齢になってから初めて筋肉を意識するのではなく、30代、40代、50代のうちから「筋肉を使う生活」を心がけておくことが大切です。
筋肉を鍛えるのに遅すぎる?

「もう年だから」と諦める必要はない
筋力づくりというと、「若い人がするもの」という印象を持っている方もいるかもしれません。
しかし、筋肉は日常的に使うことが大切です。
大切なのは、若い人と同じような激しいトレーニングをすることではありません。
自分の年齢や体力、健康状態に合わせながら、無理のない方法で筋肉を使っていくことです。
これまで運動習慣がなかった方であれば、まずは日常生活の中で体を動かす機会を増やすところから始めてもよいでしょう。
目標は「大きな筋肉」だけではない
筋トレという言葉から、「筋肉を大きくすること」を想像する方も多いでしょう。
しかし、健康長寿を考える場合、目指したいのは見た目の変化だけではありません。
自分の足で歩くことができる。
スムーズに立ち上がることができる。
買い物に出かけることができる。
趣味や旅行を楽しむことができる。
こうした生活を支える力を維持していくことも、筋力づくりの大切な目的です。
健康長寿と筋肉の関係を考える

「自分で動けること」が生活の幅を広げる
筋肉を維持することは、日常生活のさまざまな活動を支えます。
たとえば、自分で歩ければ買い物や散歩に出かけられます。
外出できれば、人と会ったり、趣味を楽しんだりする機会にもつながります。
つまり、筋力を維持することは単に「運動できる体」をつくるだけではなく、自分らしい生活を続けるための土台の一つと考えることができます。
健康長寿という視点では、こうした身体機能をできるだけ長く保っていくことが重要です。
センテナリアンと筋肉を単純に結びつけない
100歳以上のセンテナリアンについて考えると、「何をすれば100歳まで健康でいられるのだろう」と気になる方もいるでしょう。
しかし、長寿にはさまざまな要素が関係します。
食生活だけ、運動だけ、あるいは筋肉だけで寿命が決まるわけではありません。
そのため、「筋肉を鍛えればセンテナリアンになれる」と考えるのではなく、長い人生を元気に過ごすために、日々の生活の中でできる健康づくりの一つとして筋肉を意識することが大切です。
今日からできる筋力づくり

日常生活そのものを運動の機会にする
運動を始めるために、必ずしも特別な道具をそろえたり、スポーツジムに通ったりする必要はありません。
普段の生活にも、体を動かす機会はあります。
近い場所なら歩いて移動する、無理のない範囲で階段を利用する、家事の際に意識して体を動かすなど、小さな工夫から始めることができます。
「運動の時間をつくらなければ」と考えると負担に感じる方でも、日常生活の一部として取り入れれば続けやすくなります。
椅子からの立ち座りを活用する
下半身を使う身近な動作の一つが、椅子から立ち上がることです。
椅子からゆっくり立ち、再びゆっくり座る動作では、太ももやお尻などを使います。
ただし、回数を増やすことよりも安全に行うことが大切です。
ふらつきがある場合は無理に行わず、必要に応じて安定した場所につかまるなど、自分の状態に合わせましょう。
痛みや強い違和感がある場合には運動を中止し、必要に応じて医療機関などに相談してください。
ウォーキングだけに偏らない
健康のためにウォーキングを続けている方も多いでしょう。
歩くことは日常生活に取り入れやすい運動ですが、「歩いているから筋力づくりについては何も考えなくてよい」というわけではありません。
歩くことに加えて、立ち座りなど筋肉に適度な負荷をかける動作も意識すると、運動内容に幅を持たせることができます。
一つの運動だけにこだわらず、さまざまな形で体を動かしていきましょう。
筋肉を支える食生活も忘れずに

たんぱく質は筋肉の材料になる
体を動かすこととともに意識したいのが、毎日の食事です。
筋肉の材料となる栄養素として代表的なのが、たんぱく質です。
たんぱく質は肉、魚、卵、大豆・大豆製品、乳製品など、身近な食品に含まれています。
特定の食品だけを食べ続けるのではなく、毎日の食事の中でさまざまな食品を組み合わせることを意識しましょう。
筋肉のためにも「バランス」が基本
「筋肉にはたんぱく質」と聞くと、たんぱく質だけをたくさん摂ればよいと思うかもしれません。
しかし、健康な体を維持するためには、たんぱく質だけでなく、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が必要です。
筋肉だけに注目するのではなく、食生活全体を整えることが基本です。
また、持病がある方や食事について医師などから指示を受けている方は、その内容を優先してください。
筋力づくりは「続けること」を大切に

頑張りすぎると続かないことも
健康のために運動を始めようとすると、「毎日やらなければ」「たくさん運動しなければ」と考えてしまうことがあります。
しかし、最初から無理をすると、体への負担が大きくなったり、運動そのものが嫌になったりするかもしれません。
大切なのは、自分が無理なく続けられる方法を見つけることです。
今までほとんど運動していなかった方なら、まずは体を動かす機会を少し増やすことから始めてみましょう。
何歳になっても「使う」ことを意識する
筋肉について考えるとき、若いうちに鍛えて終わりというものではありません。
生活環境や年齢が変われば、運動の方法も変わっていきます。
若い頃にはスポーツを楽しみ、中年期にはウォーキングや自宅での運動を取り入れ、高齢期には安全に配慮しながら日常動作を維持する。
その時々の自分に合った方法で体を動かしていくことが大切です。
まとめ

健康長寿を考えるうえで、筋肉は私たちが忘れてはいけない体の大切な要素です。
筋肉は、歩く、立つ、姿勢を保つ、物を持つなど、日常生活のさまざまな動作を支えています。
年齢を重ねると筋肉量や筋力は低下しやすくなりますが、「もう年だから」と体を動かすことを諦めるのではなく、その時の体力や健康状態に合わせて筋肉を使っていくことが大切です。
そして、健康長寿は筋肉だけで実現するものではありません。
食事、運動、睡眠、休養、人とのつながりなど、さまざまな要素を含めて日々の生活を整えていくことが基本となります。
センテナリアンが珍しい存在ではなくなりつつある人生100年時代。
「何歳まで生きるか」だけではなく、「これからも自分の体でどのように生活していきたいか」という視点から、筋肉について考えてみてはいかがでしょうか。
特別なことを始める必要はありません。
歩く、立つ、階段を使うなど、普段の生活の中にも筋肉を使う機会はあります。
まずは今日、自分にできる小さなことから始めてみましょう。
監修者

谷口 順彦
特定非営利活動法人日本統合医学協会理事
総合学園JOTアカデミー理事長
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卒業後はピラティススタジオや介護施設など、健康と運動を支援する多様な分野での活躍が期待されます。
学んですぐに実践できるセンテナリアンの食事の基本の軸を学び、日々の食事の見直すことで、①料理時間の短縮②栄養のバランスが取れる③食材・食費の無駄が減るといったことが目指せます。
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ヨガの技術のみならず、基礎医学や心理学、機能解剖学、そしてアロマやハーブに関する知識も体系的に学びます。体の構造や機能を深く理解することで、より効果的で正確な指導が可能になり、一般のヨガインストラクターとは異なるスキルを身につけられます。卒業後は、ヨガスタジオや医療施設、介護施設などさまざまな場所での活躍が期待でき、ヨガを通して疾患予防や健康増進に貢献することができます。



